コイルオーバーショックピロロワーマウント装着日誌
Installation of TEIN's Pillow Ball Lower Mount on Coil Over Shocks

装着して半年程度で割れてしまったゴムサポート部分。特に左側は破損状態が酷く、サポートバーはショックに直接当って曲がり、さらにそれにより傾いてしまったショックがコイルスプリングと干渉を起こしていました。このまま知らずに走行していたら、危うく大事に至ってしまうところです。
アッパー同様、こちらもピロマウントに交換することにしました。

Lower bush is also broken in a few month.
ピロはアッパー同様にTEIN社製のものを採用しました。これは、アッパー用の補修部品として購入してあったもので単体パーツとして入手可能です。外径32mm、内径18mm。

I install TEIN's Pillow Mount.

<警告>

本品装着にあたっては、車両稼動の根幹に関わる部分であり、安全基準に適合する必要性があるので、必要な知識、技術、工具類が揃っていない場合には行わないこと。
本品装着と装着作業により発生するいかなる障害についても当方は一切責任を負いません。
本品の装着は99年モデルに行ったもので、他年式モデルへ装着する場合には異なる部分があります。

<Warning>
Do not install without skill and tool.
I'm never responsible any trouble by installation and work.
The goods installed to Model '99 only.


コイルオーバーショックに空いている27mmの穴をピロマウントが装着できる32mmに広げます。ガイド用の板をあてがって固定し、新しい穴のセンターを出してからホールソーを使用すると良いでしょう。
穴空けはセンターがずれないよう慎重に行います。穴が空いたらピロがスムースに装着できるように鑢を使って表面を滑らかに仕上げます。

Remove bush and ower support shaft from shock.
Make 32mm hole from 27mm hole.
サポートバーと同じ長さ(90mm)に切ったアルミシャフト(15mm径)の両側の上下表面を平らに削り(10mm幅程度)、固定用ボルト穴(8mm)をセンターからそれぞれ36mmの位置がボルトのセンターとなるように空けます。

Make new support shaft for pillow. Use 15mm aluminum shaft.
18mm径(肉厚1.5mm、内径15mm)のアルミパイプをピロ幅と同じ幅(20mm)に切断し、ピロとの接触面にシリコングリスを塗ってピロに装着します。

Insert 15mm support shaft into 18mm aluminum pipe(1.5mm thickness) and fix pipe by M4 Hex bolts after insert into center hole of pillow.
サポートバー用シャフトを装着したら、シャフトが左右にずれないように固定するためにシャフトのピロ両側に0.5mm程度の深さの切り込みを入れ、Ωリング(15mm)を装着します。固定位置は正確にセンターを出します。

Make slit on both side of pipe and fix by ring stopper.
左右と下側の計3ヶ所に、4mmHEXボルト(10mm)を使用するので、3.3mmの下穴を空け、M4のタップ(ボルト穴)をたてます。また、ピロのボルトが当る位置に浅く(最大1mm程度。これ以上深くしないこと。深くするとピロに当って動かなくなってしまう)4mm穴をM4のミルを使って空けます。ピロにシリコングリスを塗り、ショックに取り付けたら、HEXボルトを締めてピロを固定します。ボルトにはナットを付けて緩み防止を図ります。

Make M4 screw holes around shock(3 points).
Make straight hole(Not so deep, stop before pillow ball. Use Mill.) on pillow. Screw bolts to hold pillow. Install nuts on bolts and after screw bolt, screw nut to avoid removing bolts.
サポート位置がそれまでよりも約15mm程高くなるので、車高調整位置は、それまでよりも15mm低く設定しました。

New support shaft makes tha car height 15mm high.

現状では、27mmから32mmに広げられたことによるショックの絶対強度と、サポートバーが15mm径で十分な強度が確保できるかが問題点です。
ショックの強度については、外側から別のプレートを当てがうことで確保できそうですが、サポートバーは同径のステンレス製に換えることが望ましいかもしれません。いずれにしても、耐久性テストを行ってからの対処となります。


那須モータースポーツランドサーキットの走行会では、全く支障なく稼動しており、帰宅後の点検においても、破損や緩み等の問題は見られませんでした。サーキット走行で掛かる負荷は通常の走行時の数倍以上であることを考えれば、当面の問題は無さそうです。

しかし、今後の安定した使用を保障できる耐久性を得るために、何らかの補強対策を講じる予定です。


当面、最も心配な部分は肉厚が薄くなってしまったピロを支えている部分。
荷重の大半は上下方向なので、肉厚が薄くなった両サイドへの負荷はそれほど大きなものになりませんが、何かの衝撃で瞬間荷重がかかった時に割れてしまわないとも限らないので、U字型のスチール金具を流用して周囲に覆い被せることにしました。

Hole of shock become so thick therefore I install steel U shape around shock. Make screw hole both side of shock base and install U shape steel by bolts.
幸い、肉厚1mmの適合サイズがあったので、それをそのまま使用しました。固定は根元にネジ穴を空けてM4 HEXボルトで行っています。

All bolts to hold pillow screw on U shape steel.

怪我の功名と言う諺がありますが、今回はまさにそれがぴったりの事態であり、那須走行前の炎天下で必死に作業をした甲斐がありました。
これまでのプアな単なるゴムブッシュに比べれば当然の結果なのでしょうが、ピロ化したロワー側の効果は大きく、Aアームがどの位置関係にあってもスプリングとショックは常に適正な角度を維持するため、ハンドリングの向上に大きく貢献してくれました。特にコーナーでの挙動の安定性と立ち上がり時のレスポンス向上が良くなりました。
リア側のロワーサポートについてはピロ化することが構造的に出来ないため、ロワーAアームのブッシュ及びスリーブの交換を試みたいと思っています。