コイルオーバーショック(West Coast Corvette社販売)装着日誌(F45対応)
Installation of Coil Over Shocks(WestCoastCorvette) /w F45 Simulator

2001年1月14日
伝統のリーフスプリングを採用しているC5ですが、C4時代にもコイルオーバー式に交換することで路面への追従性を大幅に向上させることが適った経緯から、今般West Coast Corvette社より発売されたC5用コイルオーバーサスペンションを装着してみました。
本品はショックとスプリングのレートにレース用とストリート用の2種類の設定がありますが、今回はパフォーマンスハンドリングと呼ばれるストリート用にしました。アルミ製ショックを使用しており、スプリングの重量増加にも拘わらず純正F45用ショックよりも軽量なので、リーフスプリングの分を加算すると前後合わせて10kg程度の軽量化にも貢献します。
尚、F45ショックを取り外すことで発生するDTCのエラー表示を回避するため、シミュレーターを製作して、装着しました。

→本品は製品上の欠陥が発覚したため撤去し、現在では、LGモータースポーツ社のG2コイルオーバーを使用しています。

<警告>

本品装着にあたっては、車両稼動の根幹に関わる部分であり、安全基準に適合する必要性があるので、必要な知識、技術、工具類が揃っていない場合には行わないこと。
本品装着と装着作業により発生するいかなる障害についても当方は一切責任を負いません。
本品の装着は99年モデルに行ったもので、他年式モデルへ装着する場合には異なる部分があります。

本品装着は構造変更に該当するため、コイル部分を装着したままで車検を通すことはできない。また、装着時及び車高調整の際には専用のレンチが必要なので、オーダーする際には確認すること。

アッパーマウントのブッシュ部分は一ヶ月以内に耐久性面で問題が起こるので対策が必要
フロントロワー側のマウントブッシュ及びサポートバーについても耐久性面で問題が起こるので対策が必要

フロント、リア共にスプリングを支えるトップハットが耐久性面で問題が起こるので対策が必要

<Warning>
Do not install without skill and tool.
I'm never responsible any trouble by installation and work.
The goods installed to Model '99 only.
Upper Mount bush will be broken in a month therefore it is necessary to install another Mount.
Lower Mount bush for front will be broken in a few months therefore it is necessary to install another Mount.
Top hat will be broken in a few month therefore it is necessary to install washers or new top hat.


製品はコイルが装着された状態で納品されるが、装着されているコイルが正しいものであるかどうかを事前に検証します。短く太いコイル上に表記された数値の大きい方(500〜550)がリア用(下側が二股に分かれているショックと組み合わされる)、細く長い数値が小さいほう(300〜400)がフロント用です。
万一、逆に装着されている場合には、ショック上部のスプリング固定ハットの安全ピンを外してハットを抜き、コイルを交換します。

Check Coil rate that 400 for Front and 550 for Rear.

<注意>
作業前に、純正状態における車高を計測しておく。車高はボディ面では無く、前後左右共にシャーシと地上の間が良い。
また、ジャッキアップ後は必ずウマを使用すること。
専用工具であるリーフスプリングコンプレッサーは使用せずに取外しを行う。
フロント側純正リーフスプリングを外すには、ロワーAアームを外す必要がある。
ボルトナット類は錆等により緩み難くなっているものがあるので、予めCRC等の潤滑剤を塗布しておくと良い。
アルミブロックと鉄ボルトナットのように異種の金属同士を結合している場合には、再装着時にAnti-seize塗布を薦める。
F45システム専用ショックを使用しないことにより発生するDTCエラーは、シミュレーターの装着で回避されるが、
F45が本来持つ機能は全て失われる。

<Caution>
Check the height of the car before installation.
It's necessary to provide "Spring Compressor" however I introduce without using it.
To remove Front Spring, it is necessary to remove the lower control arm.
The simulator for F45 function only to avoid Error Message on DTC.


1.リアスプリング及びショックアブソーバーの取り外し
  Remove factory's rear spring and shock

リアは片側ずつのジャッキアップでも作業は可能。ジャッキアップしたらウマをかけます。→ジャッキアップについて

本来はスプリングコンプレッサーでスプリングを圧縮し、固定フランジのボルトを外してスプリングを外すのですが、本品はコルベット専用工具であるため一般には市販されていません。そこで本品を使わずに外す方法を記します。

In fact, it is necessary to use "Spring Compressor" however it's difficult to provide therefore I introduce without using.
スプリング下部に、ダメージを与えないようにゴム等を挟んでジャッキを当て、サポートする程度で止めます。

Set the jack under spring and just support. Use rubber between jack and spring to avoid damage.
ボルトには脱落防止用のリングがあるので、専用工具で外します。外したリングはリーフスプリング再装着の際に必要なので、無くさないように保管しておきます。

Remove the ring at top of bolt using tool in photo.
リーフスプリング再装着の際に必要なため、スタッドの高さ又はネジ山の数を計測しておくこと。

Measure the height of bolt on spring to install again.
スプリングを固定しているボルトナット(ボルト18mm、ナット21mm)を緩め、ボルトを外します。
ボルトが外れたらジャッキをダウンしてスプリングから外します。本作業を両側共に行います。

Remove bolt(18mm) and nut(21mm) from spring. Do both side.
Down the jack and remove.
スプリングを固定しているフランジのボルト(13mm)を外します。
この段階でスプリングが外れます。
スプリングが外れる時に反動で大きな衝撃があるので、十分注意して下さい。

Remove spring retainer bolts and remove spring.
ロワーAアーム側に着いていたブッシュを忘れずに外して、ボルトと一緒に保管します。

Remove rubber bush on lower control arm.
スプリングが外れたら、ショックを外します。

Remove shock.
ショックアブソーバーのアッパー固定ボルト(13mm)を外します。奥側のボルトはスペースが狭くソケットレンチが入らないので、エクステンションが必要です。

Remove both bolts(13mm) on the top of shocks.
ショックのロワー側のボルトナット(共に24mm)を外します。このボルトナットは220Nmのトルクで締め付けられているので、外す際には大きなレンチが必要です。
F45用のコネクターを外し、配線固定部分も外します。
ショックを手で縮めて取り出します。スペースが狭いので結構面倒です。

Remove the bolt(24mm) and nut(24mm) under shock.
取り外したショックから、ハットの部分を外します。ナットは14mm。インナーシャフトの空転を止めるための専用レンチが必要です。無い場合はプライヤー等で代用できますが、空転してしまった際等にシャフトにダメージを与える恐れがあるので薦められません。

Remove hat from factory's shock using 14mm and special wrench.
ネジ穴に埃等が詰まらないようにするため、固定フランジとボルトを取り付けておくと良いでしょう。ボルトはネジ山に正しく噛むまで最初必ず手で締め入れること。スプリングを固定するわけではないので、締め付けトルクは45Nmにしました。

To avoid any dust inside of bolt hole, install retainer and bolts.
USAで市販されているショックとポジションセンサーの両方に装着するシミュレーターを装着します。
シミュレーターを装着しないとエラーが発生するばかりでなく、車速が約150km/hを超えるとパワーリデュース機能が働いてしまうので、サーキット走行等を行う場合は危険です。
F45シミュレーターを取り付け、防水処理をした上で外れないようにしっかり固定します。

Install simulator for F45.
Inside of this, there is a bulb and a resister. Total resistance become 9.5 to 15.5ohm. I use 12V/1W bulb and 3.9ohm/3W resister. I could not know how much current on this circuit therefore I use bulb, not only resister and it's also OK to use only bulb.

2.リアコイルオーバーサスペンションの取付
   Installation of Rear Coil Over Shock

コイルオーバーサスペンションに固定用ハットを取り着けます。ショック上部固定用ナット(14mm)の締め付けトルクは24Nm
但し、本ブッシュマウントには耐久性面で問題が起こります。→ピロアッパーマウント装着日誌

Install Coil Over Shock.
This Bush Mount has problem.->Installation Pillow Upper Mount
コイルオーバーサスペンションを装着します。
ハット固定ボルト(13mm)の締め付けトルクは29.5Nm
装着するためのスペースを確保することが出来ない場合には、車高調整用レンチを使ってスプリング位置を下げ、ショック長を縮めてから作業を行います。

Install Coil Over Suspension. Tighten top bolts to 29.5Nm.
ロワー側固定ボルトナット(24mm)を取り付けます。締め付けトルクは220Nm

Install lower bolt and nut and tighten 220Nm.
アッパーボルトへの取り付け位置が遠い場合には、ロワーAアーム下にゴム等を挟んだジャッキを入れて、アームを上げると良でしょう。
装着が完了したら、車高調整を行います。

As shock length is short, use jack to lift up lower control arm.
After finished installation, check the height of the car.

3.フロントスプリング及びショックアブソーバーの取り外し
   Remove Factory's Front spring and shock

両輪共に、ジャッキアップしてタイヤを外し、ウマをかませます。

本来ならばスプリングコンプレッサーを使用してスプリングを圧縮するのですが、本品はコルベット専用工具であるため一般には市販されていません。そこで本品を使わずに外す方法を記します。

In fact, it is necessary to use "Spring Compressor" however it's difficult to provide therefore I introduce without using.
スウェイバー(スタビライザー)のリンケージシャフトを左右共に外します。→スウェイバー装着日誌を参照

Remove nut on sway bar.
ショックアブソーバーのアッパー側ナット(15mm)を外します。リア同様に専用レンチが必要です。但し、フロント側に取付用のハットはありません。

Remove nut on the top of shock.
ショックアブソーバーに接続されているF45用のコネクターを抜き、ショックアブソーバーのロワー側のボルトナット(13mm)を外し、ショックを外します。

Disconnect F45 connector and remove bolts and nuts on lower control arm.
リア同様、リーフスプリングのロワーアーム際下にジャッキを入れ、ダメージを避けるためにゴム等を挟み、ジャッキアップしてロワーAアームへの負荷を止めます。
アッパーAアームのボルトナットにはホィールアライメント調整のために前後それぞれの両側に目盛が着いたプレートがあります。それがシャーシに対してどの位置にあるかを印を着けて後で判るようにしておきます。また前後もあるので再装着の際に入れ替わらないように判別できる印も着けておきます。
再装着の際、この位置関係が狂うとホィールアライメントが大きく狂ってしまうので、後で消えて見えなくなってしまわないようにしっかりマーキングしておくこと。

Set the jack under spring and just support.
Mark position of the plate on lower control arm bolts front and rear.
ブレーキローターの下に台を置いて、ロワーAアームが外れた際に落下しないようにします。
ロワーAアームのシャーシ側固定ボルトナット(24mm)を外します。
本作業は片側のみで良いです。

Support Brake Disk Rotor and remove lower control arm bolts and nuts(24mm).
It's OK to do one side only.
外れたら、ロワーAアームをスプリングとの干渉が無くなる後方90度後ろ方向位置に回転させます。図は左側を表示。
スプリングにかませてあったジャッキを下げて外します。
この段階でスプリングの端が地上に接するようであれば、接しなくなるまでさらに車両をジャッキアップします。

Turn lower control arm 90 digress to rear direction.
Lift down and remove Jack. As edge of leaf spring contact to the ground, lift up the vehicle more.
ロワーAアームが外れている側のリーフスプリングを固定しているフランジのボルト(13mm)を緩めます。スプリングには未だ負荷がかかっているので、2本のボルトは均等に緩めて行きます。
また、ボルトが外れる瞬間にスプリングの負荷状態によってはフランジやボルトが弾ける場合があので、十分注意して下さい。
ボルトが取れてフランジが外れたら、もう一方のフランジ固定ボルトも同様の手順で外します。
固定フランジボルトが両側共外れたら、スプリングをロワーAアームを外した側へ引き出します。

Remove spring retainer bolts. The spring still has compression power so that remove both bolts sequence, and be careful shock.
Remove spring.
スプリング固定フランジ及びボルトは、ボルト穴に埃等が詰まらないように再装着しておきます。
スプリングを固定するわけではないので、締め付けトルクは45Nmにしました。

To avoid any dust inside of bolt hole, install retainer and bolts.
車検時の再装着に必要なので、外したリーフスプリングの左右表示と共にロワーAアームとのギャップ値を計測しておきます。ちなみに私の場合は左右共に19mmでした。

Measure the height of spring spacer bolt.
ロワーAアームを元の位置に戻し、取り付けます。

Install lower control arm.
前後それぞれ正しいボルトを入れ、ナットを着けたら、外す際に着けておいた目印位置になるようにボルトのヘッド(21mm)をレンチで固定しながら、ナット(21mm)を締めて行きます。ナットの締め付けトルクは前後共に170Nm。この位置が正しく無いとホィールアライメントが大きく狂ってしまいます。
装着が終わったら、ブレーキローター下の台を外します。

Use Front bolt to front side, Rear bolt to rear side only.
Hold bolt head according to marking position on the plate and screw nut.
Position of the plate decides wheel alignment.
Remove support under Rotor.
ロワーAアームの脱着によりホィールアライメントがずれているので、必ず再調整します。
調整は設備の整った場所で行って下さい。

Check wheel alignment by Tester..

4.フロントコイルオーバーサスペンションの取付
   Install Front Coil Over Suspension

F45シミュレーターを車両側のコネクターに装着し、防水処理を行ってから外れないようにしっかり固定します。

Install F45 adopter.
コイルオーバーサスペンションを装着します。

Install Coil Over Suspension.
アッパー側固定ナット(14mm)を締めます。締め付けトルクは24Nm→ピロアッパーマウント装着日誌

Screw upper nut tighten 24Nm.
This Bush Mount has problem.->Installation Pillow Upper Mount
ロワーAアーム側の固定ボルトナット(13mm)を取り付けます。ナットの締め付けトルクは28Nm

Install lower bolts on lower control arm. Nuts tighten 28Nm.
スウェイバーのリンケージシャフトを取りつけます。締め付けトルクは72Nm

Tighten sway bar bolt to 72Nm.

5.車高の調整
   Check the height of the car

車高を調整するにあたっては、ガソリン満タン、リアハッチ内の荷物無し状態で、前後左右が水平な路面で検証します。車両荷重に差異があったり路面に段差があると、正しい位置に調整することができません。

ショックアブソーバーは、伸びきった状態から負荷を掛けても、直ぐに標準状態にならないので、しばらく走行して負荷を掛けた後に再度車高の差異を測定し、調整を行います。個体差があるので、4輪それぞれの車高調整用ネジ山数が違っていても不思議ではありません。
尚、車高調整用リングを回す際には、スプリングを抑えているハットとシャフトの隙間及びネジ山部分にCRC等を塗布して回し易くすると良いでしょう。
純正の基準車高はこちらを参照

To change the height, screw the ring under spring.
車高調整用には、写真のようなレンチが必要です。自動車工具売場で900円程度で手に入ります。回す作業を行う際には、レンチの先を引っ掛けるアルミ製のリングナットの穴の端をなめてしまうと削れて駄目になり、回せなくなってしまうので注意が必要です。

Special wrench required to screw the ring under spring.
実は作業の過程で何度も空回しをし過ぎてしまった所為なのか、調整用リングのレンチ用穴が削れて、レンチが使えなくなってしまいました。リングはアルミ製なのでスチール製のレンチにより過度の負荷がかかると、このように簡単に角が削れてしまい、レンチがかからなくなってしまいます。
特にスプリングの負荷がかかる回し込みを行う時には掛けたレンチが空回りして外れないように要注意です。数回の空回りがアルミ製の穴を駄目にしてしまいます

Miss to round the ring only a few times, hole of the ring gets damage and could not function.
一回でも空回りをしてレンチが外れてしまうような場合には、このような水道工事用工具でリングの外側を挟み、回すと良いでしょう。但しこちらは2000円位します。

As the ring gets damage, use big wrench.
幸い補修パーツとして販売店(WestCoastCorvette社)から部品を送ってもらえたので、後日交換です。
穴が削れて駄目になってしまったのは一ヶ所だけですが、今後の脱着や調整によって他の場所にもダメージを与えてしまう可能性があるので4個オーダーしました。

It's possible to get new rings as repair parts.
純正より約2cmダウンの場合、コイル下部のリングから、ショックのネジ山最下部までの距離を測定した結果は、フロントL:142mm、R:147mm、リア:89mm
本数値はあくまでも参考値であり、固体差があるので絶対値ではありません。リアハッチ内に荷物を積むと、50kg程度でも1cm以上下がるので、配慮が必要です。

Set the height of the car lower about 2cm than factory's.
As Measure the height from the ring to bottom end of screw, Front is 136mm, Rear 82mm. They are only for my car, not standard.
2002年4月以降、コイルスプリングのレート及び長さに変更が出ました。
フロントレートは300→400となり、48mm長くなったリアは500→550となり、13mm長くなっています
それに伴い、車高調整値にも変更が出ました。
純正と同じ車高を得るための調整値は、フロントL:69mm、R:74mm、リアはLR共に66mm
車高を下げる場合には、本数値から下げる分をマイナスしますが、あまり下げ過ぎるとショックの縮み側限界が早くなるので注意が必要です。
以上で装着完了です。
タイヤを着けてジャッキダウンします。試乗をして必要な場合には車高を再調整します。
また、異音の発生やハンドルのブレ、異常な振動等が無いことを確認して下さい。異常が見られた場合には直ちに使用を中止し、点検を行います。

Install tires and jack down,
Check no noise and no vibration by test driving.
Check the height again.

<装着レポート>  Report

車高を純正状態よりも約2cm程下げた状態の写真。これ以上下げるとフロントのアンダースポイラーへのダメージが問題となることと、リアに荷物等で荷重がかかった際を考慮しました。

Finally the height of the car is set at almost 2cm lower to avoid damage of front under spoiler and becoming lower by rear cargo.
外されたリーフスプリングとF45用ショックアブソーバー。コイルオーバーサスペンションとの外観上の比較表はこちら

Removed leaf springs and shocks.

上がノーマル車高、下が2cmダウン。撮影角度がやや違いますが、下がり具合は判別できます。
中途半端な設定のコイルオーバーでは優れたショックと純正スプリングの状態に比べ然程の向上感は無いのかもしれませんが、本品についてはショックの性能及びスプリングのレート設定は適切なものになっており、十分評価されて良いと感じました。

Stock height in top photo and 2cm lower in down photo.
装着前に心配していた周辺との干渉は無く、また異音等の発生も無く、まずは一安心といったところです。
未だサーキットや峠道での走行はしていませんが、一般道路での走行テストは期待通りのものがありました。
絶対的な硬さと言う意味では、F45のパフォーマンスポジションをも上回ります。しかし、路面の凹凸に対する追従性の絶大な向上により、今までおそらく追従しきれずに飛び跳ねていたことで発生していたであろうゴツゴツ感(突き上げ感)が消え、実にスムースな走りを実現しました。
外で挙動を目視している人には、車両全体が路面の凹凸に敏感に反応して動く様が一般的にサスペンションチューニングをしている車両である証として捉えれてしまうのですが、中で運転している者にとっては路面状況に対して確実に追従していることが、むしろこれまでよりも柔らかくなったようなイメージすら受けてしまいました。そして何よりもありがたいことは、車両全体の挙動が路面の凹凸に正確に追従して動くため、体全体で走行状況が把握できるようになったことです。乗り心地を優先させるためには許されない挙動であるかもしれませんが、私にとっては非常に乗り易いです。
特に顕著なのはコーナリング中に乗り上げる道路の継ぎ目や小さな凹凸をパスする時です。これまでロールについては強化スウェイバーの効果で抑えられていても、サスペンションそのものの追従性の欠如により、瞬間、空に浮きかないまでもトラクションが不足して横流れ(と言うよりも横飛び)してしまったのが、見事なまでに解消され、装着されたタイヤのサイズに相当する走りがようやく適ったという感じがしています。要は、タイヤの限界性能に比べ、サスペンションが負けていたのが解消されたと言うことになります。フロント&リア18インチワイドホィールとブリジストンS03タイヤ(但し現在最適サイズは無い)にビッグブレーキキットを装着してのサーキット走行が待ち遠しいですね。

The performance of the coil over shock is quite good.
All 4 wheels car suspensions always follow exactly according to up and down of road condition.
I wish to install Bridgestone S03 tires with big brake system with 18inch Front wheels.

車検を通す際には再びリーフスプリングを装着する必要があるので、リーフスプリング再装着についても作業日誌を掲載してあります。
ロワーAアームの脱着を行ったので、ホィールアライメントの取り直しを薦めます。
今後の使用経過において、C4時代に苦労を強いられた問題点であったトップブッシュの破損等の危惧点を検証して行かねばなりません。
GMがレース仕様として設定した「T1」リーフスプリングがありますが、これを高性能ショックと合わせて装着した場合と比べてどの程度の優位性があるのかについては検証の余地があるでしょう。

I recommend to check "Wheel alignment" by factory tester.
I'm afraid that some trouble for the bush on the top because I had so many problem about it when I owned C4.
I wonder which is better "T1" leaf spring with high performance shocks and Coil Over Suspension.

<純正ショックとコイルオーバーショックの外寸比較表>
フロント 本体直径 本体長 伸縮有効長 リ ア 本体直径 本体長 伸縮有効長
純正F45ショック 55mm 240mm 125mm 純正F45ショック 55mm 235mm 110mm
コイルオーバーショック 50mm 225mm 90mm コイルオーバーショック 45mm 175mm 60mm

フロント、リア共にコイルオーバーショックは、本体の大きさもスロトークも小さいです。
また、伸縮有効長は、コイルオーバーショックの場合シャフトに25mm厚のブッシュが入っているので、実際にはさらに短くなります。
走行において実際にどの程度の伸縮有効長が求められるかについては検証の余地がありますが、車体が路面の凹凸に柔軟な追従能力を持っていれば、少なくても純正ほどの有効長の必然性は無いだろうと思っています。F45は、かなりソフトな乗り心地を求めるユーザーに対応する(つまり路面の凹凸を越える際に車体があまり揺れないようにする)ために、スプリングの動作有効範囲共々、広い有効長を持たせているのではないでしょうか。
本体の絶対体積(つまりオイルやガスの充填量)については、純正のハウジングがどの程度であるか外観からだけでは想定できないので、判別不能です。
ただビルシュタインのショックと比較する限りにおいては、コイルオーバーショックの外観から予測される体積は、ほぼ同等程度であると思われることから、性能面、耐久性面での問題は無いのではないかと期待したいところです。但し、どう見てもサーキットにおける連続長時間走行に耐え切れるだけのものには為り得ないでしょう。

装着2週間後の比較写真。左側が装着当初、右側が現在。ご覧のようにブッシュが約2mm程つぶれています。そのため、上部のナットを増し締めする必要がありました。これ以上つぶれるようであると、ブッシュだけで支持することが強度的に難しいことになってしまうでしょう。まだ単なる街乗りしかしていないのに、この様では先が思いやられます。

Front Top bush is pressed and height become almost 4mm shorter. I'm afraid bushes will be broken in a few weeks.
リアについてはフロントほどの変化は見られませんが、それでも装着当初から比べると約2mm程つぶれてきています。
Rear bush no changed so much however become 2mm smaller than the first time.

リアブッシュについては大きな変化が見られなかったものの、フロントについては、僅か2週間程度で装着時から2mm程度もブッシュがつぶれてしまったことを見る限り、耐久性については少々疑問の余地があります。しかも、無負荷状態の厚さから比較すると実に約3分の1以下にまでつぶれているので、このままの状態を長期間維持することは物理的にも難しいと思われ、いずれは耐え切れずに割れてしまうのではないでしょうか。
各方面の方からの御意見にあったように、C5-Rでも採用されているピロアッパーマウントがやはり必要になるようです。
ピロについては、当然のことながら専用品を取り寄せることができるわけも無いだろうし、できたとしてもレース用部品ですから、その単価がどの位べらぼうなものであるかは容易に想像がつきます。従って、市販製品を改造して装着する方法を検討しています。但し、ピロにしたら、それこそ街中を普通に走行することに苦痛を感じさせてしまうような振動が伝わってきてしまうのではないかと少々心配ではありますが…。
C4の時に装着した自作のピロアッパーは、ピロを支えているフレームとシャーシの間にウレタンゴムシートを挟んでいたお陰で、それほど大きな振動を受けることはありませんでした。


最も加工が簡単で確実な方法としては、荷重面で適合する他車用を流用することです。
現在、某国産車競技用純正パーツとして販売されているストラットマウントと、サスペンションで著名なTEIN社のピロボールアッパーマウントを検討中です。
ピロボールが優れていることは間違い無いのですが、少なくても街中での走行においては、苦難を強いられる可能性が少なくないことが焦点です。
どの程度のものであるかは実際に使用してみないことには判断がつかないため、両者を共に装着して比較してみたいと思っています。→ピロアッパーマウント装着日誌

I plan to change upper bush to other mount for Japanese car or TEIN's pillow upper mount
->Installation of TEIN's pillow upper mount


アッパー側ほど直ぐに駄目にはならなかったものの、半年程度で割れてしまったフロント側ロワーブッシュ。また、サポートバーの強度にも不安があるので、こちらもピロマウントに改造せざるを得ません。→コイルオーバーショックフロントロワーピロマウント装着

Front lower Bush is also broken so that I install Pillow mount

装着して1000km程の走行後に、スプリングを支えるアルミ製のトップハットが壊れました。

Top Hat is also broken.
スプリングを支える荷重はシャフトにサポートされるのですが、シャフトとの接点であるトップハットのセンター部分が荷重に耐えられずに割れてしまいました。これは明らかに構造上の欠陥です。

The hat is not enough to support weight of the car.

暫定処置として、壊れ易い強度不足のセンター部分によるサポートからハットの上面全部によりサポートできるように3mm厚のスチールワッシャーを装着しました。

I installed washers onto top of the hat.
ワッシャの装着にあたっては、ショックとトップサポートの接続部分を外す必要があります。
19mmと22mmのナットにレンチを掛けて、22mmナットを緩めてからショックのシャフトをプライヤーで挟んで固定して、19mmナットを緩めます。

To install washers, remove 22mm nuts at first. And remove 19mm nuts holding shaft.
トップハットの段差部分にM12ワッシャを入れ、その上からM13ワッシャを入れます。

Install small washer(for M12) inside of top hat on center and install big washer(M13) on top hat.

最終処置として製作した新しいトップハットは、直径60mmのアルミ製シャフトを20mm幅に切り、旋盤で削り出しました。

This is new top hat made by aluminum mono block.

新しいトップハットは、ワッシャを挿入した時と同じ方法でショックのセンターシャフトに装着します。
一般道及びサーキット走行によって耐久性も十分であることが立証されています。

Install new top hat with M13 washer on top of hat.