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<C5日誌>「赤枠で表示されている画像は、マウスポインターを置くと別の画像が表示されます」

2006年

2月19日

月初から始まった年に一度の超多忙期がほんの一息だけついて、つかの間の休日です。体力を消耗しない程度に(笑)少しばかり作業を行いました。
純正シュラウドに装着したSPAL製電動ファン Bremboと共に著名なイタリアのSPAL社12inch電動ファンをラジエター用に装着してみました。
きっかけは、DeWitts社のカタログに掲載されていた純正シュラウドにSPAL製電動ファンを装着した製品(SP-015)で、同社の説明によれば、純正よりも強力なので交換することによって冷却能力の向上が望めるとのことです。
私の場合、直接吸気の排出用開口でシュラウドが穴だらけになってしますから、少しでも強力な電動ファンを装着すれば、夏季の渋滞下におけるエアコンの効き悪化を防止するために役に立つのではないかと思ったからです。
そして効果があれば、サーキット走行直後のクールダウンや低速走行時の冷却効果増大にも大いに役立ちます。
穴だらけのシュラウドは役にたっていませんから電動ファンをラジエターへ直接マウントしても良かったのですが、脱着作業が面倒になるのでシュラウドを使うことにしました。
DeWitts社で販売されているものは純正のシュラウドに2基のファンを装着済ですが、私の場合は純正シュラウドとファンを別々に手配して自分で製作しました。
純正シュラウドの電動ファン部分を全て切り取り、ポッカリ空いた穴にSPAL製ファンを入れて固定すれば完了です。
SPAL製と純正の2ショット 純正(写真右側)とSPAL製(左側)の2ショットです。
この状態で通電を行い、風量の比較を行ったところ、SPAL製が純正を凌ぐ強力なファンであることが確認出来ました。
SPAL製電動ファンを装着したシュラウド ファン背部のモーター部分は純正のように出っ張りが無く実質的に薄くなっているので脱着が楽になる上、背部に隙間が確保できています。
だからと言ってモーターが小さいわけではありません。SPALのファンは中心部が内側にくり抜いてある構造になっているため、モーターの3分の1程度がファン側に食い込む形になっているお陰です。
つまり、モーターは純正よりも口径が大きく、ほぼ同じ高さと言うことになりますから、より強力であることは間違いありません。
ヒューズボックス モーターが強力になった分、消費電力も大きくなり、一基当りの最大消費電流が20Aになりますから、突入電流を考えて電動ファン用のMAXIヒューズ(46、49)を30Aから40Aに交換しました。
De Wittsのカタログにもヒューズ交換を行うよう表記されていました。
配線は十分耐えられる太さものが使われていますから交換はしなくても大丈夫です。
ファンの電源接続は、SPAL製に装着されているコネクターから中のターミナルだけを抜き出せば、そのまま純正のコネクターに差し込むことが出来ます。
勿論、絶縁と脱落防止対策を十分に行う必要があるのは言うまでもありません。
電動ファン強制回転用リレー&スイッチ 作業のついでに電動ファンが何らかの理由で動作しなくなってしまった場合の非常対策用として、バッテリーと電動ファンを直結する回路をつくりました。→ 回路図(PDF)
2回路のリレーを使い、リレーがOFFの時は純正状態になっていますが、リレーがONになると回路から切り離されてバッテリー直結となり、2基共にフル回転をします。
C5の電動ファンは2段階制御になっています。スロー回転の時は2基のファンが直列接続になって、それぞれが半分の電圧で回転し、フル回転の時は並列接続になります。
右側はプラス側だけをON/OFFすれば良いのですが、左側はプラスとマイナスを両方共にON/OFFしなければなりませんから、1接点2回路リレーの場合は3個必要になります。
3接点2回路であれば1個で済みますが、今回は手持ちで余っていたものを利用しました。
何故このようなものをわざわざ設置したかと言うと、実は以前、夏真っ盛りに電動ファンコントロール用リレーの不良でファンがフル回転しなくなってしまい、かなり痛い目に合った経験があったからです。いくらLS-1 EDITで電動ファンの回転開始温度設定をしても、肝心の制御系が動作しなくなってしまえば何の意味も為しません。
本トラブル発覚時に制御用リレーを交換して修復された以降、現在まで何ら動作不良は起きていませんので、まず使用することは無いと思いますが、転ばぬ先の杖と言ったところです。
あくまでも非常用ですから、スイッチはボンネット内のヒューズボックス横に設置しました。
SPAL製12inch電動ファン 以前、風量表示がSPAL製と同じ1630CFMの Perma-Cool製12inch電動ファンを使ったことがあります(日誌には未発表です)。
これはファンのブレードが薄くて小さく、数が多いタイプで、消費電流も純正より少ないものでしたが、無負荷のベンチテストでは、軽量薄型にもかかわらず結構な風量があって行けそうな感じでした。しかし、実装した段階で純正よりも風量が弱く結果的に駄目でした。
一方、SPAL製は、ブレード数が純正より1枚少ない5枚であるものの、角度が純正より強く付けられた大きなブレードが着いており、、さらにモーターも消費電力が大きい分強力で、さらに高回転ですから、性能が上回っていることは容易に判断できます。
そして、実際に装着した段階での排出風も純正より明らかに強力でしたから、かなり期待が出来そうです。
使用中の10インチとSPAL製10インチの2ショット そこで、エンジンオイルクーラー用の電動ファンもSPAL製9インチ又はSPAL製10インチに交換することにしました。
風量はそれぞれ740CFMと1070CFMで、使用している風量1340CFMの10インチ(写真左側)より数値面で下回っていますが、ベンチテストでは12インチファン同様に明らかに強力なことが立証されています。
現在、10インチが手元に到着していますが、一週間前後で9インチも到着します。
出来れば10インチを装着したいのですが、スペースの制約があるので万一入らなかった場合を考慮して9インチが到着してから装着作業を行うことにしています。

そう言えば、ATFクーラーコアに装着したSPAL製6inchも風量表示が330CFMなのに、それまで装着していた風量700CFMの8inchと性能面で大差が無かったことを見ると、風量表示は実際の装着状況によって冷却能力と必ずしも一致するものでは無いようです。

そこで、少しばかり電動ファンの風量表示について調べてみました。
SPAL HPへ 風量表示の条件にスタティックプレッシャーと言うのが有ります。
これは簡単に言うとファンにかかる静止圧で、これが高くなればなるほどモーターに負荷がかかって風量が低下して行きます。そしてそれに負けないパワーを持ったモーターであれば、負荷がかかる分だけ消費電流も増大して行きます。
吸気面又は排出面が開放された状態は静止圧値がゼロになりますので、最大風量を得ることができますが、何か物体(例えばラジエターコア等)に装着されて吸引抵抗が発生したり、流入気により風圧抵抗がかかったりすると静止圧値が増大して風量が低下して行きますから、静止圧が増大しても十分な風量が得られるパワーを持ったファンが実稼動面でも高性能を発揮すると言うことになります。
従って、静止圧がゼロの時に風量1630CFMを発揮するファンでも、それが増大して行くに従って減少する度合いが激しければ、実際はそれほど強力なものでは無いと言うことになり、風量表示値だけでファンの実稼動性能を判断することはできないと言うことになります。
スタティックプレッシャーに対応した風量を表示している電動ファンはほとんど見当たりませんが、SPAL製品は全て静止圧に対する風量変化をデータシートで公開していますから、かなり自信があるのでしょう。
データシートを検証した結果、静止圧に負けずに高い風量を得ることが出来る電動ファンは、同じ直径であればブレード幅が大きく、さらに消費電流が大きい強力なモーターを使っているものになりました。
明日から2月末まで、また休みが取れない状況が続くので、3月に入るまで次回の作業はお預けです・・・。

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