RM Racing JAPAN

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<C5日誌>「赤枠で表示されている画像は、マウスポインターを置くと別の画像が表示されます」

2004年

9月5日

エビスサーキット走行会 9月10日のエビスサーキット東コース走行会は、日程の噛みあわない方が多数出てしまい、最終参加台数は、僅か2台になってしまいました・・・
そこで今回は前日まで参加受付をしますので、参加を希望される方は是非どうぞ!!
またキャンセル料も前日まで発生しません。

参加申込はこちらから→

KMクラフトガレージ 8月26日のツインリンク茂木の走行で限界近くまで上昇してしまったATFの冷却効率を向上させるため、クーラーコアの位置を移動させることにしました。
今回、土日に自宅のガレージを使うことが出来なくなってしまったため、KMクラフトガレージさんにお邪魔して、リフトをちゃっかり占領して作業をさせていただきました。
いつも本当にお世話になります
ATFクーラーコア取付位置移動 これまでの取付位置(入替り画像)より5cmほど下の右寄りに移動させました。
移動距離は僅かですが、これによりフロントエアインレットの吸気がコアに直接当たるようになった上、右側電動ファンの吸気も、より効果的に行われるようになりました。
予定していた電動ファンの取付は、残念ながらスペースが無く、出来ませんでした。
ATFクーラーコア移動図 それでも従来(入替り画像)よりは間違い無く冷却効率が高くなったはずですが、実用範囲にあるかどうかは実際に走ってみないことには判断出来ません。
本来ならツインリンク茂木をもう一度走るのが一番良い方法ですが、次回走行可能なのは早くて10月26日になり、すっかり涼しくなっていますから、効果があったとしても、十分であるかどうかを検証することは適いません。
そこで、外気温がまだ高いであろうと思われる9月10日のエビスサーキット東コース走行会で検証を行うことになります。
そして、もしエビスですら上昇してしまう場合は、茂木は到底無理と言うことになりますので、いよいよ二つ目の方法論である、右側エアスクープ内への設置を行うことになります。
また、その際、電動ファン装着は勿論のこと、コアの大型化(19段→25段)も考えています。
ラジエター交換作業中のMariusu師匠 水温の上昇回避策に取組中のMariusu師匠が、ラジエター(入替り画像)を交換することになり、KMクラフトガレージさんで久し振りに遭遇です。
KMクラフトガレージ 私が手際の悪い作業でウダウダとしている内に、ふと気が付くと、もうラジエターの交換が終わり、しばし歓談の一時でした。
その後、ようやく私の作業が終わったので、エンジンオイル、フィルター、デフオイル、クーラントの交換をやっていただきました。
茂木を走る前に油脂類は全て交換したのですが、全長4.8kmのコースを20周すると、やはり油脂類は全て寿命を迎えていました。

LS-1 EDIT シフトプログラム設定画面 一般道走行において、ハイストールコンバーターが故の低回転低負荷時の緩慢さを改善するために、LS-1 EDITによるプログラム作成に試行錯誤を繰り返して来ましたが、ようやく完成の域に達しました。

サーキット走行のような高回転高負荷時には、スーパーチャージャーのハイパワーをしっかり受け止めて、驚くべき高性能を発揮してくれたハイストールコンバーターですが、一般道における挙動、特に40〜50km/hの速度で3速を使用する登坂路では、常時回転が2200rpm辺りに釘付けとなって、スロットルを少しばかり開けて加速しようとしても前には出てくれません。
もう少し強くスロットルを開ければ、回転が上昇すると共に加給が始まってトルクが増し、グンと前に出てくれるのですが、定速度を維持する場合には、延々とストールした状態が続くことになります。それを何とかプログラムで解消させようと、今まであれこれとやってきた甲斐がありました。
ちなみに、強化ミッションとハイストールコンバーターを装着して以降のミッション関係プログラム変更は、これで12回目となります。
LS-1 Scan LS-1 EDITに、附加機能としてスキャナープログラムがあるのを発見しました。もっと早く気が付けば、プログラミングにおける遠回りをせずとも済んだかもしれません。
これは、メーカーのホームページから無償でダウンロード出来ますが、アプリケーションのインストールに際してLS-1 EDITのプログラムが事前にインストールされていることと、接続にLS-1 EDIT専用のインターフェイスが必要になるため、ユーザーでないと使用することが出来ません。
AutoTapと同じように、PCMからデータを読み出して記録することが出来ますので、燃調を始めとしたリアルタイムの稼動データが無いと具体的な数値変更が困難であるものに対して、大変便利なツールとなります。
そして何よりも嬉しいことは、アプリケーションや接続用インターフェイスを切り替える必要が無いと言うことです。
スキャンデータの結果を直ぐにLS-1 EDITに反映させ、プログラミングを行うことが適います。
表示は、MPHとkm/h、゚Fと℃を選ぶことが可能で、DTCの読み出しとクリアも出来ます。
LS-1 SCAN記録画面 こちらが一般道走行で実際に取得したデータ画面の一部です。

記録されるデータは以下の通りです。

"オープン/クローズドループ"
"水温"・"ロングタームフュールトリム Bank 1/Bank 2"
"MAPセンサー(Kpa)"・"回転数"・"速度"・"点火時期"・"吸気温度"
"マスエアフロー(MAF)量(Gms/Sec)"・"スロットルポジション(%)"
"マスエアフロー(MAF)周波数"
"O2センサー Bank 1 センサー1/Bank 2 センサー1"・"フュールトリム"
"ノックリタード"・"ミッションギア"・"フュールインジェクターパルス Bank 1/Bank 2"
LS-1 SCAN再生画面 走行中に記録したデータを再生すると、時間軸に対応した回転数、速度の変化と共に、各センサー類の数値が表示されますが、オートタップと違ってグラフィック表示は出来ません。
特に役に立つものとしては、「%」で表示されるスロットル開度です。これまで走行において、現状がどの程度の開度であるかを知ることが出来ませんでしたが、これでシフトプログラム製作が非常にやり易くなりました。
また、これは本来シャシダイ上で行うべき作業となりますが、O2センサーのデータから燃料噴射量の適切性が判断出来ますし、ノックリタード(ノッキング発生による点火時期の遅延)の検出データは、点火時期の調整に役立ちます。
発生トルクと油温・ATF温度の取得が出来ないのが、唯一の不満点でしょうか。

9月10日のエビスサーキット走行会はガラガラですから、この機会に想定される種々の走行パターンをコース上で行い、データ取得を行うつもりです。

P0420とP0430が「C」で発生しました。これは、三元触媒の能力が低下していることを意味しています。
実はこのエラー、茂木でも一度発生しています。その時はRESET後の再発生が無かったので一時的なものであると思っていましたが、一般道走行においても発生したと言うことは、触媒が寿命を迎えて駄目になってしまったのでしょうか・・・。
走行するにあたっては特に支障が無いものですから、このまま放置しても大きな問題にはならないと思われますが、交換の必要性があるのなら、この際、排気抵抗が少ないハイフロータイプに交換してみようと思っています。


9月15日

先週の金曜日、エビスサーキット東コース走行会から帰宅した直後、自宅のパソコンが壊れていました・・・。
メールは勿論のこと、インターネットへの接続が出来ません。他のアプリケーションは全て正常に働きます。結局原因は、イーサネット接続用のドライバーが熱により壊れてしまっていたことだったのですが、当初、ハードウェアチェックで全てが正常稼動していると表示されたため、次にウィルスチェックを行ったところ、7つのファイルに感染があり、検疫されていることが発覚しました。
検疫されたファイルが原因となってLANへの接続が出来なくなっている可能性もあったため、いったんハードディスクをフォーマットしてOSのリカバリーを行うことにしました。しかし、それでも接続は出来ません。そして、ようやく原因が判明し、新しいイーサネットボードを装着して接続が回復しましたが、それからが一仕事です。フォーマットにより消失した全てのアプリケーションとデータ、約4GBを全てコピーしなければなりませんでした。
リカバリー作業自体は、検疫されて復旧が出来ないファイルを削除する意味で無駄なことではありませんでしたが、多忙の中での復旧作業であったため、今日までかかってしまいました。
第3回エビスサーキット東コース走行会 遅ればせながら、9月10日に開催したエビスサーキット東コース走行会のレポートです。
今回は、たった2台で3時間半、東コースを専有走行しました。
それはそれで、なかなか無いチャンスでしたが、さすがにちょっと寂しかったですね・・・。

ATFクーラーコア装着位置移動 残念ながら、外気温24℃の下でも、ATFの冷却は十分では無く、水温・油温が109℃を維持していたにもかかわらず、10周ほどで120℃に達してしまいました。
そのため、クーラーコアの装着位置をさらに下へ降ろし、インタークーラーコアを通過した吸気を下半分に、フロントエアインレットからの直接吸気を上半分に当たる位置にしました。
また、エアコン用コンデンサーとの隙間を1cmから3cmに増やして、背部への抜け効率をアップしました。
次回、10月22日のエビス東コース走行会は、おそらく外気温が18℃程度であると思われますので、来年夏季に十分であるかどうかを判断することは出来ませんが、少なくても水温・油温を上回ることがなければ、効果有りと判断できるのではないかと思っています。

9月18日

スーパーチャージャー取り外し スーパーチャージャーの加給ユニットから異音が出ました。
これまで通りちゃんと加給は行われ、動作に支障は無いのですが、ガーと言う凄まじい音と共に激しい振動が出ています。致命的なダメージになる前にドライブベルトを外して稼動を停止させました。
手でユニットのプーリーを回してみると、スムースに回らず、何か引っ掛かるような感じになっていました。たかだかサーキットの全開走行を4回、距離にしても100km程度の走行で壊れてしまうほどヤワな製品では無いと思っていたのですが・・・。
RM Racing JAPANから購入した製品なので、ユニットを外して送り返せば修理をしてくれるのですが、外している間、一切の稼動が出来なくなってしまいますし、いまさら元の状態に戻すのは、あまりに面倒な作業となりますから、まずはKMクラフトガレージさんでユニットをバラして中の様子を見てもらうことにしました。
解体されたスーパーチャージャーユニット 装着作業をやっていただいたお陰で、あっと言う間にユニットが取れて、一時間程でバラバラになりました。
そして異音と振動の原因は、ドライブシャフトの軸受に使われているベアリングの不良でした。
ベアリングは、我が国屈指のベアリングメーカーで、世界1のシェアを持つNSK(日本精工)社製(NSK GERMAN 5304TNGC3、外径52mm/内径20mm/厚さ22.5mm)だったので、同品が国内手配出来るのではないかと期待していますが、GERMANの文字が示すようにドイツのNSKで製造されたものだとすれば、国内入手は困難かもしれません。
Webで検索をしたところ、5304の型番を持つ製品を取り扱っているところは1件しか見付かりませんでした。早速問い合わせを行っていますが、これも果たして同等品であるかどうか未だ判りません。
Magnuson社にも問い合わせをしていますが、そもそも修理するならユニット全部を送り返せと言っていた以上、部品を単体で供給してもらえるかどうか怪しいところです。
ヘタをすると勝手にバラしてしまったことで保証外となり、部品供給を拒絶するかもしれません。
異音と振動の原因となったベアリング 装着し、稼動を始めてから僅か3ヶ月余で壊れてしまうような部品では通常無いはずですが、何とこのベアリングが装着されていた部分には、潤滑用のオイルが入っていました。
マニュアルには、オイルの種類や交換サイクルについてはおろか、オイルが入っていることすら一切記載が無かったので、バラした途端にオイルが漏れ出て来た時には、スーパーメカニックM氏と共に、一瞬目が点になりました(笑)。
入っていたオイルは、粘土の低いサラサラしたもので、マニュアルミッション用のオイルに似た感じでした。このオイル、2個の加給ユニットを対抗で回すために着いているギアの潤滑用にも使われていますが、エンジン稼動中は高速で常時回転する部分ですから、どう考えても定期的に交換する必要があるものです。
漏れ出たオイルを手で触った感じでも、明らかに劣化が見られましたから、もしかするとベアリングが壊れてしまった原因がオイルの劣化によるものである可能性も100%否定は出来ません。
そこで、ベアリング交換が終わり、組み込みを行う際には、ここにドレン用の穴を新設して、定期的に交換できるように加工していただくことにしました。
オイルを入れるためのボルトはちゃんと着いていましたから、メーカーで出荷直前にオイルを充填するのではないかと思われますが、交換のことは全く考えられていないようです。
加給器本体 黒色の捻れているものが加給器本体で、長さは25cm位、直径は10cm位です。
こんな小さなもので5psiの加給を行い、5.7Lのエンジンパワーを1.5倍まで引き上げてくれるのですから、驚きです。
重量から推してスチール製のようですが、装着されるハウジングと共に大変高い精度で加工されていたことに感心して、しばし眺めてしまいました。これはなかなか凄い製品です。
こちらのエンペラー、ベアリング、ギア、シャフトの異常は全く無いどころか、磨耗や老化が何一つ無く綺麗な状態でしたから、異音発生の原因となったベアリングは、単体で部品不良だったのではないかと思われます。
ベアリングは、外径と内径が一致していれば、幅はある程度違っていても装着稼動は可能ですので、適合品の入手が困難であれば、国内で直ぐに入手が可能な6304を流用することも考えています。
再組み込みの際には、ギアオイルドレン穴の設置と共に、使用中に発覚した配線、配管ルート等の問題についても、改善処置を行っていただくことにしました。
ごく短時間しか加給走行が適わない街乗りでは、決して検証することが出来ない問題点を探るには、やはりサーキット走行を行うのが一番ですね。
ベアリングさえ入手できれば直ぐにでも復活するのですが、私がしばらく仕事で動きが取れなくなってしまうため、10月16日まで、このままKMクラフトガレージさんに居候させていただくことになりそうです。
C6-R アメリカからのホットニュースを一つ。C6-Rのスパイフォトです。

9月20日

Eaton社製品 Magnuson社のスーパーチャージャーキットは、Eaton社から構成部品の供給を受けています。
そして、Eaton社は、メルセデスやBMWの純正加給器を製造供給しているMosselman(モーゼルマン)社から加給器ユニットの部品供給を受けています。
つまり、今回問題が起こったベアリング部分をアッセンブリーしたのは、Mosselman社である可能性が高いと言うことになります。
実は、Mosselman社の創立者であるMr.Mosselmanを私は個人的に知っています。
さらに、間もなく仕事でドイツへ出張となるので、彼とコンタクトを取って、本部品がMosselman社で供給されているかどうかを直接聞き、そうであれば、部品を手配してもらって受け取って来ようと思っています。
持つべきものは友ですね〜。

9月21日

壊れたベアリング 案の定、破損したベアリングの部品単体供給は出来ないと言う回答がMagnuson社から来ました。そして、ユニットを分解してしまったので、保証も出来なくなったとのことでした。
そもそも、何か障害が起こって保証により無償修理を依頼することなど全く期待していませんでしたから、この事については何等問題はありません。
何よりも大変面白い?ことが発覚しました。それは、使われているベアリングは、型番から複列アンギュラ球軸受タイプであることが、メーカーであるNSK様より直接回答を得ることが出来ましたが、本製品は本来低回転の軸受用として使用されるもので、自動車のエンジン部品として想定される、20000rpmに耐えられる構造では無いものでした。
実際、加給器を直接回す部分以外にも、2ヶ所のプーリーがありますが、この軸受部分に使われているNSKの製品は単列タイプで、高速回転に対応するものになっています。しかし、肝心の加給器ユニットを直接回すシャフトの軸受が対応品ではありません。
これについては、NSKのご担当者様と電話でかなり長い時間、直接お話させていただきましたが、どう考えても適切な部品では無く、単に厚さの設定として、5304でないと22.3mmが無いためとしか考えられないとのことです。ただし、末尾にあるC3と言う表示は高速回転用の設定型番なので、そこそこ高回転に耐えられるようですが、複列構造である以上、十分では無いようです。
NSK 6304ZZC3ベアリング つまり、メーカーの意見としては、複列タイプのベアリングが10000rpmを超える回転環境で使用されていれば、いくらオイルによる潤滑が行われていたとしても、ボールがズレたり欠けたりして、直ぐに駄目になってしまうのは当然の結果であるとのことでした。このベアリングが、Magnuson社又はEaton社でアッセンブリーされたものなのか、Mosselman社でアッセンブリーされたものなのかについては、後日ドイツへ行った時に直接聞くことで判明します。
そこで、メーカーの担当者様が推奨された、NSK6304ZZC3と言う型番の、ベアリングボール部分が鉄シールで保護され、20000rpmを想定した高回転モーターの軸受や自動車エンジン用のプーリー軸受に使用される単列タイプを、NSK製品取扱販売店である、鞄興機械様より購入することにしました。
本品は厚さが15mmなので、22.3mmに比べて薄くなりますが、シャフトの軸受として使用するには十分ですし、ユニット本体に圧入されて使用されますから、前後にズレないようにしてやれば、シャフトの軸受として機能させる上で何等問題はありません。単価も千円以下のものですから、返送にかかる運賃に比べれば、ゼロに等しいものです。

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