<C5日誌>

2002年

 7月 7日

ホィールナットを黒に交換してみました。今回は盗難防止ナット付きのもので、5個のナットのうち、一個が特殊な形状のものになっており、付属している専用ソケットでなければ取り外すことが出来ません。
付属ソケットには番号表示があり、それが一致しない限り他の番号のものでは合わないようになっています。番号そのものが何種類設定されているかは定かでありませんが、万一ソケットを紛失した時のために番号を控えておくと良いですね。
ホィールの内側に設置されているために冷却エアが効率的に入って来ない構造になっているフロントブレーキですが、C5-Rを見習ってエアダクトを設置してみました。ほとんど役に立っていない純正のエアダクトより少しはマシだろうと思われます。
これまでリアウィンドゥの親水処理をフィルム状のものを貼り付けていたのですが、ドアミラーと共に液剤を塗布するタイプで処理し、フィルムは剥がしました。フィルムは約半年程度で材質そのものが寿命となるため定期的な交換が必要で、うっかり貼り換えを忘れて期限を過ぎてしまうとフィルムはガラスにこびり付いてしまい、剥がす作業は地獄を見ることになります。しかし、塗布タイプであれば、たとえ絶対寿命がフィルム状より短く(3ヶ月)ても、効果が薄れるだけで他に何の心配も要らないから安心ですね。
液剤は、既に撥水処理等を行っている場合を含め、前処理に適するクリーナーで十分に清掃し、乾燥した後に塗布を行います。またその後もフィルム同様に液剤を活性化するため直射日光を夏季で半日程度当てることが肝要です。これを怠ると効果が半減してしまいます。
撥水処理は風圧が常に当るフロントウィンドゥ以外には効果が薄く、ドアミラーやサイド・リアウィンドゥについては親水処理をしたほうが街中走行時や霧雨時での視界が良好になりますね。
リアウィンドゥの中央部分だけに貼っていたスモークフィルムは、サーキット走行準備のため、剥がしました。

 7月 8日

スーパーチャージャー装着に備えてビラーマウントタイプのゲージホルダーを使ってブーストメーターをテスト装着してみました。配管は未だ行っていません。
このホルダー、写真ではそれなりに見えるかもしれませんが、仕上げは全くのオモチャで質感は最低です・・・。お薦めできる代物ではありません・・・。
そこで後述するシフトインジケーター装着場所を兼ねて、2連式のものに換えることにしました。製品はABS樹脂製で、純正ピラーと同じ質感を持つXtreme Motorsports社製。価格はUS$80.
在庫有りのようで、15日に出荷されると返事が来ました。

A/TのシフトポジションをLEDセグメントにより表示する装置の製作がようやく完了しました。A/Tをマニュアルシフトしている時にシフトポジションを把握するためにはシフトレバーを見る以外に無いのですが、視野を大きく動かさなければならない上、表示そのものも非常に認識性が悪いことから、便利なアイテムになると思います。
トランスミッションのシフトポジションは、4ビット信号の組み合わせによりPCMへと出力されているので、これをそのまま文字表示へ変換しました。
PCMへは4種類のアース(マイナス)に対するON/OFFで入力されます。
PCM側の検知用動作電圧が不明(おそらく+5Vだろうが)のため、一応安全対策として、シフトポジション表示装置への入力分岐にはダイオードを入れました。
接続はPCMへの接続端子から分岐します。PCM装着場所のカバーを外して下側からもぐっての作業です。

PCMのBLUE(後)側が「32」=「A:黒/白」、「34」=「P:白」、「72」=「B:黄」、RED(前)側が「62」=「C:灰」の接続になります。
BLUEとREDは背中合わせに装着されています(つまり左図のREDは下側から覗くと左右反対に見えます)から、本体に表示されている数字と配線色を参照して間違いのないように注意が必要です。
文字の種類は、「P」・「R」・「N」・「0」・「3」・「2」・「1」の7種類で、セグメントは数字だけでは無く英文字表示が可能なタイプを使用しました。
これは試作品なので表示部分と制御部分及び電源が全て一体になっていますが、動作テスト終了後に装着する時には表示部分だけを本体と離して独立させ、ピラーゲージマウントに装着します。

 7月11日

A氏が数多くの難関を克服してようやく装着が適ったBreathless社のオイルクーラーですが、7月2日に出荷すると言ったまま製品も未だ到着しないし連絡も無いので、いっそのことキャンセルをしてしまおうかと思っています。
そこで、次の候補として国内手配を考えています。これはオイルバイパスマウントとリモートオイルフィルターマウントを組み合わせることにより、純正のPF44を使用することができるもの。Breathless社の特殊専用オイルフィルターを必要に応じて毎回取り寄せなければならない場合と違い、フィルターは何時でも何度でも直ぐに交換することが出来るので嬉しいですね。
全体の接続と配置は、このような感じです。オイルフィルターはクーラーコアの側に位置させて、交換性を容易にする予定です。尚、バイパスとリモートフィルターのマウントは、ワンオフの注文製作品になると思われますが、製造会社では、そもそも一つずつアルミブロックを削り出して手作りをしているようなので、規格品としてラインナップされていなくても価格面で大きな差異は無いようです。

 7月14日

リアブレーキへのフルード圧分配を標準状態より高めるバイアススプリング(DRM社製)を装着してみました。製品はただのスプリングで、バネレートが純正よりも高くなっているものです。
プロポーショニングバルブからブレーキパイプを外し、中から純正のバイアススプリングを抜き出して交換する(この作業そのものは10分もかからない)だけですが、作業後に4輪共にエア抜きをする必要があるのが面倒なところです。付属していた説明書には、ただ純正品と交換しろと言うだけで、エア抜きについての記述は全くありません!!・・・・。
抜き出し作業時にスプリングの圧力で中身が飛び出して来るので、その際に再使用する部品を喪失してしまわないように十分注意する必要があります。
本品は、スプリングの強さが分配比率を決めてしまうことになるので、高い精度で正しいレートにより製作されていないとリアブレーキが効き過ぎてしまうことがあり、非常に危険です。従って、装着後にリアブレーキの効きが強過ぎることによって障害が発生するようならば、直ちに純正品に戻すことを薦めます。
ブーストメーターの配管を行いました。接続は、PCV配管にエアコンプレッサー用の汎用T型分岐パイプを接続して行いました。また、メーター用配管とPCV配管の延長用は、テフロンチューブ(内径4mm・10.5mm))を使用。将来、バキュームだけで無く加給負荷がかかるので、ホースエンドには全て固定用リングを使ってしっかり固定してあります。
機械式であるため、付属のテフロンチューブはボンネットリリース用ワイヤーの通路を使い、エンジンルームまで配管しました。またメーター照明は照度調整が可能なメーター用ライト回路に接続しました。

Breathless社にキャンセルするぞメールを送ったら、途端に出荷案内が来ました。トラッキングナンバーによる追跡では確かに11日付で米国を出ています。果たしてどのようなものが来るのやら・・・。

 7月15日

Breathless社からオイルクーラーキットが到着しました。ホースを規定長よりも1m長いものに、さらにオイルフィルターも交換用として4個オーダーしましたが、予想に反して交換用フィルターは中身のカートリッジだけが来ました。フィルター本体が何度かのカートリッジ交換に耐えられる構造になっているのでしょうか。
見た目だけではバイパスブロック、フィッティング、クーラーコア共々、なかなかの品質ですが、実際に装着段階でどのような問題点が起こることやら・・・。装着は、ラジエター共々、今週末に実施する予定。

オイルバイパスブロックはこのような感じになっています。
これと同じ機能を持ったものを国内で特別注文製作してもらえるべく製作会社と交渉中です。クーラーコア(25段フルワイド型)やリモートフィルターブロック(純正用PF44を使用)及びホース(アールズ製)、フィッティング類を含めて、Bleathless社製品と同等かそれ以下の価格になれば、装着を望まれている皆さんに斡旋することが適います。

 7月16日

那須モータースポーツランドサーキットでの走行会について、参加希望者に参加要項に関する問い合わせメールを配信しましたが、全員に届いているでしょうか?
もし、参加を申し込みされているにも拘わらずメールが届いていない場合には至急連絡をお願いします。また、現在未だ参加できるかどうか不明の方も返信はして下さい。最終の参加決定は、7月31日までとなり、その時点で参加者の皆様には詳細資料を各自宛に郵送いたします。

大変なことが発覚しました。まだ来ないと思っていたリアウィングが、実はINVOICE上では6月14日に通関されて配達完了になっていたのです。勿論、実際に貨物を受け取ってはいないし、第一パッケージ総数が3個のわけがありません。ラジエターとその他のゴミパーツ類で3個になっていたのだから、リアウィングほどの大きさがあれば直ぐに判ります。
運送会社であるFedExへ問い合わせたところ、通関時も確かに3個口であったのだが、INVOICEと中身の照合は行っていなかったのではないかとのこと。
税金だけ取られて荷物が無いと言うのは、全くを持っていい加減の極地である。勿論、クレジットカードへの課金は既に全額行われていました。
Eckler's社には、INVOICE通り確かに出荷しているかどうかをオーダーナンバー、トラッキングナンバーと共に連絡しているのですが、もし出荷していた場合には、いったいリアウィングはどこへ行ってしまったと言うのでしょうか?

 7月17日

装着しているビッグブレーキの販売元であるBAER社にバイアススプリングの装着について問い合わせたところ、既に純正のブレーキフルード配分を基準に調整・組み合わせされているので、バイアススプリングを装着してリアの効きが強くなると、設定したバランスが崩れて危険であるとの返答が来てしまいました。そのため、純正品に戻すことにしました。未だテスト走行をしていませんが、メーカーの言うことである以上、従ったほうが無難だろうと思っています。従って本スプリングは用無しになってしまいました。

Eckler's社には一昨日からリアウィング紛失事件に関して4回もメールを送っているのですが、未だに何の返答もありません。いったいどうなっているのでしょうか。
明日までに返事が無かった場合には、クレジット会社を通じて事故報告を出し、ショッピングプロテクションの手続きを開始するつもりです。
リアウィングの次候補は、カーボン製のGTウィングになるのでしょうか。
その場合には同時にC5R用スタイルのフロントスポイラーも発注するつもりです。

Breathless社から返事が来て、オイルクーラー用フィルターのカートリッジ交換はフィルター両側にある 1-3/8(35mm) のナットが付いている蓋を空けて行うとのこと。 1-3/8ソケットが未だ届かないのでやってみていませんが、交換はフィッティング部分の脱着をする必要は無く、ただ両端にレンチを掛けて本体を回せば良いことになりそうです。しかし、作業を行う際には手も周辺もオイルだらけになってしまうことだけは確かです・・・。

またアメリカのコルベット関係者のサーバーが"WORM_KLEZ.H"に感染したようで、今日になってから既に40通以上が私の会社用メールアドレス(非公開、本HP上で公開しているアドレスでは無いのでご安心を)によってウィルスメールが発信されています。送信先が全てアメリカのプロバイダーと名前なので、間違い無くアメリカからです。幸い私が契約しているプロバイダー(大塚商会のアルファメール)の強力なチェック機能によりウィルスが自動削除されるため、受取人に配信されることはありませんが、Web王国のくせに困ったものです。
可能性のある該当者全てに警報メールを送ったのですが、送った後でもなお発信が続いているので、どうやら本人が気付いていないのか、それとも私が直接アドレスを知らない他の者なのでしょうか。送信されている速度から推すと通信環境がかなり良好なところのようなので、おそらくどこかの販売店ではないかと思うのですが・・・。

 7月18日

クレジットカード会社のショッピングプロテクション申請は、実際に賠償されるかどうかということ以前に適応対象となった会社にとっては死活問題に発展し兼ねない大事のようです。
Eckler's社から陳謝の意を示すメールが届き、一ヶ月以上に渡って出荷していないにも拘わらずINVOICEを発行して課金をしていたミスを詫びて来ました。
そして、本日送料全額サービスで価格US$1のINVOICEと共に出荷された。従ってGTウィングの購入は中止です。リアウィングはフロントスポイラーと共に到着次第、直ぐに塗装依頼を行います。

 7月20日

梅雨もそろそろ空けそうな夏空の元、世の中、2連休でどこか行楽へ出掛けている方が数多く居られることでしょう。ところが、私は朝からラジエター装着を行いました。
純正の約3倍のコアの厚さがある総アルミ製Be Cool社製ラジエターを装着しました。
まだテスト走行を行っていないので効果の程は不明です。
ただ、純正のラジエターと外観を比べるだけでも、コアの厚さばかりでなく、プラスチック製の容量が小さい左右のタンクがコア同様に3倍程度のアルミ製になっているだけで、効果の程は容易に想像することができます。
今日、一日でオイルクーラーも一緒に交換するつもりでしたが、炎天下での作業が思いの他体力を消耗させたため、ラジエター交換と追加電動ファン取付だけになりました。
Breathless社オイルクーラーに付属しているオイルフィルターのカートリッジ交換を行う方法を試してみました。このようにIN側の1-3/8ナットを緩めると蓋が取れてカートリッジが交換できます。予想と異なり、片側の蓋だけが外れる構造になっていたため、カートリッジ交換の際には、毎回フィッティングの脱着が必要になります。また、内部にはゴム製Oリング(ガスケット)が使用されているため、これも交換の都度に新しいものに交換する必要があります。従って、既製フィルターを使用できるリモートオイルフィルター用ブロックを使った方が良いですね。

 7月25日

難関を超え?ようやく到着したEckler's社のリアウィングを塗装するため、お馴染み、A氏からご紹介を受けたKMクラフトガレージさんに行きました。その際、A氏との面会も適いました。
使用されなかったBreathless社のオイルフィルターをフィッティングアダプター共々お譲りいただけたので、早速週末に装着を行います。フィッティングアダプター装着についてBreathless社からの回答によると、アルミ製アダプターのネジ山にはテフロンテープを巻いてから行うとのことです。

 7月27日

紆余曲折の繰り返しでしたが、ようやくオイルクーラーの装着が完了しました。
装着はA氏に見習ってサイドエアスクープ内に行い、低速走行時の冷却効果を上げるために裏側に電動ファンを設置しました。
当初、テーパーのついたフィッティングジョイントアダプターのねじ込みがスムースに行かなかったことでオイル漏れが起こってしまいましたが、ボルト部分にテフロンテープを巻き付けてから行うと、まるで嘘のように最後までネジ込むことが適いました。

Xtreme社製2インチ2連ゲージピラーマウントにブーストメーターとシフトポジションインジケーターを装着しました。ピラーマウントは、純正ピラーの上から被せるタイプで、見た目も精度も良く、装着に際しての問題はありません。

明日、塗装が終わったリアウィングを装着する予定です。また、フロントスポイラーも到着したので、明日、塗装依頼をします。
ラジエター交換の際に配線ケーブルに傷を着けてしまったのだろうか、F45システムへステアリングポジションセンサーのデータが送られていないエラー(C1780)が発生してしまいました。ABSユニットへ最初に送られる本データですが、ABSのエラーは発生していないので、単に配線ケーブルの断線又はショートによるものだと思われます。コイルオーバーの装着によりF45は使用されていないので何ら問題は無いのですが、エラー表示が鬱陶しいので、後日検証を行います。

 7月28日

リアウィングの塗装が完了したので、KMクラフトガレージさんへ取り付けに行きました。一緒に写っている白の袋はゴミではありません。A氏から譲り受けた大切なオイルフィルターのカートリッジが入っているのです。今回も四方山話に花が咲き、受け取るのをすっかり忘れてしまいました・・・。
FRP製リアハッチに取付用の穴をドリルで空けます。
穴はリアハッチの裏側まで貫通させてボルトで固定します。
装着位置についての注意書等は一切付属していなかったため、皆さんと協議の上、見た目優先で決めたのですが、後程メーカーの装着写真と比べると見事に同じ位置になっていました!! さすがです。
A氏はちょうど筑波からの帰りとのことで、デフを含む各オイル系を那須に向けて交換するとのことでした。リキ入ってます。
装着が終わり、最終磨き作業を行って完了。さすがプロ、手際よく作業は進み、約1時間弱(と言っても、その内半分は楽しい四方山話だったが・・・)で終わりました。作業を見ていて思ったのですが、もし私が一人でこれをやっていたら、重く大きいリアウィングを持て余して、きっとボディ面のどこかに大傷を着けてしまったに違いなかったでしょうね。
今日、フロントスポイラーの塗装をお願いしたので、完了したら、また装着作業をお願いします。
KMクラフトガレージさんは本当に素晴らしいショップです。A氏が通い詰めておられるのが良く理解できました。
A氏からは、かねがねリアウィングの効果について聞き及んでいたのですが、正にその通りでした。自宅からKMさんまではリアウィング無し、帰りは有りと同じルートにより同日の比較だったことで、より顕著に違いが判りました。高速道路に入った直後からリアのトラクションが安定し、行きに感じた道路の継ぎ目段差を越える時のバンピーな感じが全く姿を消してしまいました。後方視界については、直後車の運転席は完全にウィングの中央になりますが、車全体が全く見えないというわけでな無いし、ある程度車間があれば、後続車の存在を認知することは十分可能です。
唯一の問題点と言えば、思っていたよりも長くリア側にはみ出している(ボディエンドより約10cm)ことで、リアハッチが閉め難くなったことと、重量により、リアハッチが純正のガスショックでサポートすることが出来なくなってしまったことくらいでしょうか。
効果は絶大ですが、それにしても派手です・・・。族のお兄さんたちに追っかけられないと良いのですが・・・。
往復共に、油温、水温、ATF温を頻繁に監視したところ、高速道路及びスムースに流れる一般道においても、渋滞する中でも、油温は85℃、水温は89℃、ATF温は90℃以上上がることは一回もありませんでした。
水温については、夏季炎天下渋滞時の安定は素晴らしいものがあり、これまでサーモスタットをローテンプタイプに交換していても110℃に達してしまうことがありましたが、ラジエター交換の効果により全く起こらず、エアコンも極めて強力に効いています。
油温も、オイルクーラー装着の効果が発揮されて、常時85℃を維持し続けており、走行条件の変化に影響されることはありませんでした。
札幌在住のF氏からリアビッグローター装着写真が到着したので紹介します。14インチのローターは、リアホィール一杯の大きさになり、なかなかの迫力もの。
この他に、コイルオーバー装着、スウェイバー交換、HID装着も実施されています。
こちらはセンターアームレスト上に設置されたアクリル製の小物置場。本来はF氏の特別注文によりNAVIのリモコン設置場所として考えられたものでしたが、製作したショップ、「車楽(しゃらく)011-813-3138」では本品を製品化するとのことです。但し、設置に際してはアームレストカバー裏側に補強を行う必要があります。

 7月29日

A氏がサーキット走行中に★玉が縮み上がる思いをされたと言う、3速から2速への予期せぬキックダウンを回避する方法論を検討しています。
マニュアルの回路図と説明によれば、3速→2速のシフトダウンは、専用のソレノイドバルブにより行われているのですが、この命令は、シフトレバーのマニュアルシフトによる強制ダウン以外は、ATF油圧、スロットル開度、エンジン回転数、速度と言った各データを元にPCMの命令により行われています。つまり、PCMのプログラミングを変えない限り、一定の条件が整えば必ずキックダウンは起こってしまい、3速ホールドは出来ません。
そこで一つだけ考えられることは、シフトが3速位置にある時に限り、ON/OFFスイッチにより3速→2速シフトダウン用ソレノイドバルブへの動作信号線を遮断してしまう方法。これならばシフトダウンの命令がPCMから出されても動作しなくなります。また1速→2速と2速→3速のシフトアップについては、それぞれ専用のソレノイドバルブが設置されているので、シフトアップは行われるはずです。
要は、マニュアルシフトにより3速から2速、1速へシフトダウンしたときには、3速→2速が動作するように遮断した回路を接続させ、3速の時にのみ遮断すれば、理論的に3速ホールドが適うはずです。マニュアルにミッション故障発生の事例として3速ホールドが有り、その原因はPCMのエラー又は3速→2速シフトダウン用ソレノイドバルブの不良になっていたから、間違いは無いでしょう。
いずれにしても実験を行います。実験は先般製作したシフトポジションインジケーターが3速を表示しているときに信号を出させて、それによりON/OFFのスイッチングを行ってみます。シフトダウン用ソレノイドバルブへの信号線は、PCM(BLUE)の79番。
但し、遮断した際にPCMが一定の条件下にもかかわらずシフトダウンが起こらなかったことを受けてDTCのエラー表示を出してしまうことは避けられないと思います。

 7月30日

TransGo社から、パフォーマンスシフトキットという商品が出されています。機能としては、シフト時間の短縮と、1速から3速までの各ギアがシフトレバーポジションによりホールドされ、他のギアへのシフトアップ、ダウンが起こらなくなり、そして3速、4速時のロックアップクラッチ動作タイミングが遅くなるというもの。
サーキット走行には願ったり適ったりの製品ですが、実はこれ、A氏が既に購入され、装着がボツになったものなんです。理由は簡単で、製品にはリプログラミング(再プログラム)と言う言葉が使われており、単にPCMへプログラミングをすれば実現できるものと誤解を招き兼ねない表示がしてありますが、実際にはミッションのオイルパンを外して(当然ATFは全交換)、内部の部品を多岐にわたって交換しなければならないのです。それを知らずに危うく購入してしまうところでしたが、A氏からの素早い返信のおかげでキャンセルが出来ました。3速ホールドはやはり電子制御だけで実現させることは不可能なのでしょうか・・・。

 7月31日

TransGo社から返事が来ました。4L60E型のATは、型番では確かにC5に搭載されているものと同じなのだが、年式によって電子制御内容が異なっており、C5に装着した場合におけるPCMのリプログラミングが正しく動作する保証がされていない(GMが詳細を明かしてくれないからと理由付けしていた)とのことでした。
適合年式として91〜97年(一部販売店では97〜02年対応と表示している)となっていますが、C4とC5のATは基本構成部品(ギア等)類は共用されているものの、電子制御される部分は動作系統もコンピューターも全く違っているから、同じものを装着できるはずがありません。つまり、ハードウェア面における対応は可能でも、ソフトウェア部分の対応が出来ていない製品であるから、装着してもある程度の機能を発揮するかもしれないが、最悪、エンジンがスタートしなくなってしまう恐れが十分に考えられますね。