<ATFクーラーの装着>    Installation of ATF Cooler

2002年8月25日
2003年3月9日更新 / 2005年8月28日更新
/ 2005年10月23日更新 / 2005年10月30日更新 / 2006年3月11日更新 / 2006年5月15日更新
2006年6月4日更新 / 2006年10月9日更新
/ 2006年10月17日更新 / 2006年12月14日更新 / 2007年1月14日更新 / 2007年7月16日更新
2008年3月2日更新 / 2008年5月27日更新

[効果:ATF温度上昇を抑え、ミッションの耐久性を向上。サーキット走行には必需品。]
B&M ATFクーラーキット B&M社製のATF(オートマチックトランスミッションフルード)クーラーを装着しました。
僅か15分程度のサーキット走行で直ぐに130℃に達してしまうATFのクーリングは、ATへのダメージを軽減させるためにも必需アイテムです。
ミッションにダメージを与えないためにもATF温度は100℃以下におさえるのが懸命です。
今回は冬季のオーバークール対策を考えてミディアムサイズのコアにしました。
キットには、クーラーコアとホースは勿論のこと、フルードホースとラジエターへの接続フィッティングやコア固定用金具、ボルト類一式が含まれていました。

Install B&M ATF cooler kits included core, hose and all fittings.

【注意】
本品は99年モデルに装着したものですので、97〜98年及び2000年以降モデルと詳細で違う場合があります。

1.装着にあたって

冬季や暖気中におけるATFのオーバークールは、冷却以上に重要な問題です。そのため、C5ではATFをラジエターに循環させることで、暖気と冷却の両方の機能を持たせています。
クーラーコアを大型のものにした場合には、夏季のサーキット走行においても十分な冷却効果が上がるものの、冬季ではオーバークールになるので、コア前に目張りをする等の対策が必要になります。
本キットへの直接装着は出来ませんが、ホース径と接続アダプターの交換によりサーモスタットの装着が適うので、それが最善の方法になり、さらに大型のコアを使用することも可能になります。→クーラーコアの大型化とATFクーラーサーモスタット装着

ラジエターに循環している場所から分岐接続を行うので、面倒なホースの引き回し作業はほとんどありません。
接続方法としては、戻り側と送り側のどちらかを選ぶことになります。

ATFクーラー取付配管図@ こちらが製品に添付されていた装着方法で、戻り側に接続します。
ATから送出されたATFは一旦ラジエターへ入り、その後にへクーラーコアへと接続されます。
ATFクーラー取付配管図A こちらが送り側に装着する方法。ATから送出されたATFは最初にクーラーコアに入り、その後にラジエターを通ってATへ戻ります。
どちら側に装着するほうが好ましいかについての最終判断は、ユーザーの意思に依存されることは言うまでもありません。
戻り側へ装着する場合は、接続位置が下側から上側に換わるだけで、作業工程は同じです。

2.クーラーコアの装着 Install Cooler Core on Radiator

インテーク系を外し、スロットルボディの入り口にガムテープ等で蓋をします。

Remove Air Intake.
ラジエターカバーを外し、隔壁をめくり上げて固定します。

Remove Radiator shroud.
スウェイバーのインシュレータークランプを外してバーを後側へずらします。
また、電動ファンの電源コネクターを抜きます。

Remove bolts of sway bar and move sway bar to rear.
電動ファンを上に持ち上げるようにしてラジエターのフックから外して下側へ抜き出します(上には抜けません)。
作業時にABSコントロールユニットの配線(コネクター根元だけがむき出しになっている)にダメージを与えないように注意して下さい。ついでなので作業前に結束テープ又はコルゲートチューブで保護することを薦めます。

Remove Electric Fan from Radiator and remove to down side.

3.接続ホース製作及び固定金具装着 Cut SS Hose and install fitting

ステンレスメッシュホース 今回は製品に付属しているゴムホースを使わずにアールズの同規格ステンレスメッシュホース(#6/内径8.73mm・外径13.89mm)を別手配(3m)して使用しました。

I provide SS hose instead of rubber hose included kits.
エコノフィット また、ステンメッシュホースは外皮が毛羽立ってしまうため、本来フィッティングによる接続が望ましいのですが、接続は全てホースバンドになるため、アールズの「エコノフィット」と呼ばれる、ホースバンドの外側にフィッティングのようにステンメッシュが毛羽立たないようにするためのカバーがついたホースバンドを使用しました。

And also provide Earl's econo-fitting.
ステンメッシュホース切断 ミッションからの送り側からクーラーコアのイン側までと、アウト側からラジエターのイン側までのルートを決めて距離を測り、ステンメッシュホースを金鋸または大型のカッターで切断します。
ステンメッシュホースは最小曲限度があるので注意して下さい。

Measure length and Cut SS hose by sword for metal or big cutter.
エコノフィット取付 ホースの切断面周囲の毛羽立ったステンレスメッシュを革手袋をして(素手や軍手で行うとメッシュが刺さって痛い目に合うので要注意)滑らかにしてから、ホースバンドを緩めたエコノフィットを奥までしっかり装着します。

Install fitting.

クーラーコア設置 出来上がったホースをクーラーコアに接続(段差の付いている部分がホースバンドより後側になるように奥までしっかり差し込むこと)したら、ホースバンドのネジを締めて固定します。ホースバンドのボルトは5.5mm。ホースが入り難い場合には、ATF(エンジンオイルは不可)を薄く塗ります。

Connect fitting to cooler core and screw bolt of fitting.
クーラーコア設置 付属のプラスチックボルト&ナットを利用して、ラジエター(エアコンコンデンサー)前にクーラーコアを設置します。
付属のスペーサー用ウレタンフォームをプラスチックボルトが通る穴の裏側に貼り付け、ボルトをクーラーコア上から差し込んで、コンデンサーとラジエターコアフィンの隙間を貫通させたら、ラジエター裏側からプラスチックナットを締め、余ったボルトは切り取ります。
ホースの接続作業及び引き回しがあることを考慮して位置を設定して下さい。
隔壁があると作業スペースが狭くて面倒ですが、隔壁の脱着はアンダーから固定ボルトを外すことになるので我慢しました。

Install Cooler Core onto Condenser of Air Conditioner by Plastic bolts and nuts through condenser.
電動ファンを装着します。

Install Electric Fan.
スウェイバーを元の位置に戻してインシュレータークランプボルトを締めます。締付トルクは58Nm。

Install sway bar insulator cramp bolts tighten 58Nm.

4.ATFラインへの接続 Connect ATF Line

ATFのラジエターへ接続されているラインは、上側が戻り側(ラジエターから送出)、下側が送り側(ラジエターへ流入)となっています。作業は右側のタイヤを外して行うと楽です。
ナットを緩める際は、ホース側に負荷がかからないように注意して下さい。
またラジエター内とホース内に残存するATFが漏れ出て来るので対策を講じます。尚、漏れ出たATFの再使用は勿論不可です。

Remove ATF send line hose(Upper side. As connect to return, lower side) from radiator.
送り側へ接続する場合は、上側のラインを外します。作業的にはこちらの方がやや面倒です。

ジョイントアダプターの接続と加工図 キットに付属している2種類の接続用アダプターの内、口径が大さい方のオス型をラジエター側に、メス型をホース側に装着します。締め付けトルクは、それぞれ16Nm
ラジエター側用ジョイントアダプター(メスネジ)は接触部分(朝顔型)が深過ぎたため、そのままBe-Cool製ラジエターのアダプターに装着すると、いくら強くしめても接触部分に隙間が出来てしまい正しい接続が出来ないため、先端を5mm程度削る必要がありました。
メス側は問題有りません。ATFホース側の装着は、ホースに負荷がかからないようにレンチでしっかりと固定しながら行います。

Connect Adaptor Bolt to radiator(It's too long to connect Be Cool Radiator so that it is necessary to be short this time) and connect SS hose.

ホースの配管 クーラーコアへのホース及びミッションからの送り側ホースを固定します。

Connect SS hose to ATF return line with joint adaptor bolt.
ラジエターカバーを装着します。クーラーホースの配管が干渉する場合には、カバーを削ります。

Install radiator shroud.
スロットルボディを塞いでいたガムテープを剥がし、インテーク系を装着します。

Install Air Intake.
センサー類のコネクターを接続します。

Connect sensors line.

ホースの固定及び接続部分の締め付けを確認したら、エンジンを始動して、回転部分や高熱になる部分との接触及び接続部分からのATF漏れが無いことを確認します。
またATF量も確認します。漏れ出た分は些少でも、ATFクーラー循環分の容量が増えているので、100〜200cc程度は補充出来ます。
補充は本来ならリアのミッション部分から行うことになりますが、面倒ですから、クーラーコアにATFラインを接続する前に注射器等を使って予めATFを充填しておきます。

Check all bolts tighten. Start engine and check no ATF flow out from connected part.


<使用レポート>

送り側と戻り側どちらに装着するのが一般的な使用条件下で有効であるかは、走行テストが完了しないと判断が出来ません。
通常、夏季でエアコンを使用しながらの渋滞時、クーラント温度が100℃を越えるような場合のATF温度は水温より5℃程度高くなります。またハード走行の場合にはさらに上昇し、10〜15℃も高くなりますが、クーラー装着後は常時90℃程度で安定するようになりました。


那須サーキットの走行テストでは、外気温16℃下で90℃以上にはならなかったので、十分な効果がありました。
次回は寒冷時のオーバークール対策について戻り側と送り側のどちらに装着したほうが良いかを実際に検証してみたいと思います。

サーモスタット装着図 絶対冷却能力について、夏季のサーキットではやや不足気味であると判断しているので、コアをより大型のものに変更し、オーバークール対策としてサーモスタットを装着する予定です。


サーモスタット装着 冬季のオーバークール対策としてRM Racing JAPAN のサーモスタットを装着しました。
ラジエター前のクーラーコアへのホースラインを途中で切断し、6ANのホースエンドを装着すれば完了です。
小型軽量であるため設置場所の制約が非常に少なく、今回はホースルートとなっているファンカバー横に装着しました。エンジンフードのショックとの隙間はギリギリクリアーです。
冷間始動後、水温の上昇と共にATF温度も短時間で上昇し、80℃に達するとクーラーコアが稼動してそれ以上上昇すること無く一定を保ってくれました。

Install Thermostat. It's opened at 80C degrees.

2003年3月9日
サーク製19段クーラーコア装着 冷却効果の増強を図るため、より密度の高いサーク製19段フルワイドコアを使用し、接続ホース及びホースエンドを8AN規格にしました。
また十分な通気性を確保させるため横向きにして最下部へ設置しています。

→装着位置の変更

Change Cooler Core to Sark 19 steps full wide type.

サーモスタットフィッティング交換 サーモスタットはジョイントアダプターを6ANから8ANに交換するだけで同じものを使用しました。

Change hoses to 8AN.

2004年9月5日 クーラーコア装着位置の変更その@
ツインリンク茂木 YANKの強化ミッションとハイストールトルクコンバーターを装着して、8月26日に「ツインリンクもてぎ」を走行したところ、ATFが温度超過となってしまいました。
ハイスピードコースのため、スーパーチャージャーによるハイパワーを長時間受け続けたことが原因のようです。

ATF Temperature increased to 120C degrees because of high power by Super Charger.
ATFクーラーコア取付位置移動 これまでの取付位置(入替り画像)より5cmほど下の右寄りに移動させました。

Move location of cooler core to 5cm down.
ATFクーラーコア移動図 移動距離は僅かですが、これによりフロントエアインレットの吸気がコアに直接当たるようになった上、右側電動ファンの吸気も、より効果的に行われるようになりました。
電動ファンの取付は、残念ながらスペースが無く、出来ませんでした。
この処置にどこまで効果があるかは、9月10日のエビスサーキット東コースの走行会で検証することになります。

2004年9月15日 クーラーコア装着位置の変更そのA
ATFクーラーコア位置移動 外気温24℃のエビスサーキット東コースでの走行において、水温・油温共に109℃を維持していたにもかかわらず、残念ながらATF温度は120℃に達してしまいました。
そこで、クーラーコアをさらに下に移動させ、下半分は十分な冷却が適っているインタークーラー用コアの通過吸気を当て、上半分をフロントエアインレットの吸気を直接当てることにしました。
また、背部への排出効果を上げるため、エアコン用コンデンサーとの隙間も、1cmから3cmに拡大しました。
次回の検証は、10月22日の第4回エビスサーキット東コース走行会になります。
外気温がおそらく20℃以下だと思われますから、水温・油温に対する比率で効果の有無を見ることにしています。

Change cooler core again because cooling not enough.


2004年10月24日 クーラーコアの大型化
ATFクーラーコアの大型化 外気温21℃のエビスサーキット東コース走行会において、水温・油温(105℃)に比べてATF温度の上昇が避けられなかった(115℃)ため、コアを19段から25段に換装しました。
6段増えた分はそのまま下側へ延長され、正面からの通気が効率的に当たるようになっています。
次回の検証は、11月19日の第5回エビスサーキット東コース走行会になります。
この位置と大きさだと若干ではあるもののラジエターへの通気が阻害されてしまうので、水温管理との兼ね合いが焦点になるかもしれません。
これでもなおATF温度が上昇してしまった場合、並びに水温管理に影響が出てしまった場合は、インタークーラーコア前面に電動ファン装着を考えています。

Change cooler core to 25 steps (6 steps larger) because cooling not enough yet.

2004年10月31日 エアダクトとアンダーフィンの装着
エアダクトの装着 フロントエアインレットからの吸気をより効率的にATFクーラーコアに導入するため、エアダクト(10mm径)を装着しました。
左と中央2本のダクト背部にATFクーラーコアが有ります。右の1本はオマケです(笑)。

PUSHタイプの8インチ電動ファンであれば、インタークーラーコアの前面に装着出来そうだったのですが、重量及び消費電力の増加となりますから、まずはこれで効果を試してみることにしました。

Install Air duct in Front Air Inlet.
アンダーフィン装着 また、ATFクーラーコアを大型化したことで水温管理の問題が発覚する可能性に対処するため、これまでフロントからだけに頼っていたラジエターへの吸気を、フロントスポイラーの下側からも行えるように、純正のアンダーフィンを加工して装着しました。
勿論、吸入口が必要ですから、アンダーガードは撤去しましたが、もしかすると、短くしたものを装着しておいた方が良いのかもしれません。
実はこれ、単に純正状態と同じになっただけです・・・。但し、純正はここまで位置が下ではありませんが・・・。
今のところ、このフィンが路面と干渉してしまうことはありません。

正面から見ると、フロントスポイラーより5cmほどフィンが下に飛び出て(入替り画像)、下側からの吸気をラジエターへ導入してくれます。

Install Under Fin to get air for Radiator from under of Front Air Spoiler.

2004年11月6日 電動ファンの装着
電動ファン 電動ファンを装着しました。
PULLタイプのファン部分の装着方向を表裏反対にして、プラスとマイナスを逆に接続し、PUSHタイプに換えたものをインタークーラーコア前に装着しています。
この位置であれば、ちょうど背部にATFクーラーコアがありますので、動作を開始すると、ATFクーラーコアまで、しっかりと風が入って来ています。
電源はリレーを使用して、動作開始信号を右側ラジエター用電動ファンから、稼動電源はバッテリーから取得しました。

エアダクトは、そのまま残してあります(入替り画像)。

Install Electric Fan on Inter Cooler Core for Super Charger and air by Fan go to ATF Cooler Core.

2004年11月19日
外気温8℃の雨天となったエビスサーキット東コース走行会において、水温・油温が90℃以上になることが無かったにもかかわらず、ATF温度は100℃に達してしまいました。
まだまだ冷却能力が不足していると言わざるを得ません。

Temperature of ATF became 100C degrees. It's not enough yet.

2004年11月23日 アンダープレートの装着
アンダープレートの装着 フロントエアスポイラーからの吸気を全てATFクーラーコアへ導入させるため、アルミ板のアンダープレートを装着しました。
水温管理への影響を最小限にするため、プレートはATFクーラーコアが装着されている側にだけ装着し、フロントエアスポイラーの右半分の吸気が導入されるようにしました。

Install Aluminum plate to get more air from Front Spoiler air inlet.
The plate is installed right side only.
And remove Filter on Front Air Inlet.
These two modify are effected very well.
フィルターを撤去したフロントエアインレット 雨水浸入防止用として吸気口に装着していたフィルターも、吸気効率を低下させるので、撤去しました。
ナンバープレートを装着していても、ダクトは丸見えです(入替り画像)。

この二つの処理は、大きな効果がありました。
外気温18℃下の公道走行テストしかしていませんが、ATFの温度は79℃のまま変化しません。これまで、外気温がもっと低い状態でも、高速道路を走行していると、水温87℃、油温80℃であったも、ATF温度は84℃辺りまで上昇することがありましたから、冷却効果がかなり上がってくれたと思われます。また、街中になると電動ファンが活躍してくれており、直ぐに77℃まで低下してくれます。
サーモスタットが装着されていますから、勿論これ以下にはならず、オーバークールにはなりません。

これで考えられる全ての方法を試したことになると思いますので、次回のサーキット走行において十分な効果を発揮することが無かった場合には、クーラーコアの設置場所そのものを変える方向で方法論を考えることになります。

LS-1 EDIT シフトファームネス設定タブ ATF温度の上昇原因の一端に、ファームネスとプレッシャーの設定があると思い、両者共に数値を変えていたのですが、ATFクーラーの冷却能力に主な要因があったことが判明したため、LS-1 EDIT により、再度、高効率の設定に戻しました。
3速は比較的低い速度でロックアップされますが、2速にはロックアップの設定がありませんから、ファームネスの変更により滑りが減少して、動力伝達効率アップが適います。
トルクコンバーターが、長い時間大きく滑り続けていると、ATF温度が直ぐに上昇してしまいますから、温度管理面でもファームネスは高い方が有利になるかもしれません。

体感面で顕著なことは、スロットルを開けると直ぐにクンと前に出てくれるようになりますから、レスポンスが大変良くなることですね。
その分、シフトショックは増大しますが、ギクシャクしてしまうほどのものではありません。

Change Firmness by LS-1 EDIT.

2004年12月8日
第8回那須モータースポーツランド走行会を開催しました。
この時節にしては日中の外気温が高くなり、14℃に達しました。
走行中の大半が1速2速となり、さらに絶対速度が低いため温度管理に厳しいショートコースの那須ですが、水温・油温が105℃、107℃であった際のATF温度は103℃と、初めて下回ることが出来ました。
そして負荷を軽減すると、みるみる温度が下がり、クーリング走行を一周するだけで95℃まで低下してくれます。さらにピットに戻ってからも、電動ファンの効果により3分程度で90℃まで下がりました。
スーパーチャージャー強化ミッション&ハイストールトルクコンバーターを装着して以来、ATF温度管理には随分と悩まされ、ATFクーラーへの対策をあれこれと講じてきましたが、これでようやく一段落と言ったところです。

2005年8月28日
水温管理状況を改善するため、吸気路を塞ぐ形となっている現在の25段コアを19段にして小型化を図り、2段掛けにすることにしました。
コアはセトラブ製を使用、コア同士の接続はホースを使わずにアールズのジョイントアダプターを使い、横に2つ並べて一体化しました。
2個のコアの合計冷却熱量は、これまで使用していた25段コアの18700kcal/hから24200kcal/hへ増大しますから、絶対冷却能力も向上することになります。
2段掛けで送圧の低下が起る可能性はありますが、シフトプレッシャーが低下するわけではありませんので、問題は無いと考えます。

Install new ATF Cooler Cores.
This time, I chose two smaller(from 25 to 19) cores.
装着は、前方向へ移動させた水冷インタークーラーの背部に行い、ラジエターへの吸気路を確保しました。

Installed back side of intercooler for Super Charger.
また、背部には8インチ電動ファンを2基装着しました。
電動ファンの制御は、これまでのラジエター用電動ファンとの連動を止め、専用のコントローラーを使って、コアに装着された温度センサーにより回転を開始させるようにしています。

Back side of ATF Cooler Cores, I installed two 8inch Electric Fans with Fan Controller.
ATFクーラーコアからの排出熱をラジエター吸気に混じらないように外気へ直接放出させるため、排出用ダクトを設置しました。
また、フロントエアスポイラーからラジエターへの吸気もダクトを設置しました。

Install hose ducts to get Fresh Air from Front Spoiler and take hot air from ATF Cooler out.
ATFクーラーとは直接関係ありませんが、ミッションにディープパンを装着しました。
これによりATFの量が約3.8リットル増量出来ます。
さらにアルミ製なので放熱効果も高く、ATF冷却に大きな効果が得られています。

Install Aluminum Deep Pan for ATF.
Total ATF increased about 3.8 litters.

第9回えびすサーキット走行会において、水温が112℃になってもATF温度は100℃を維持してくれましたから、確かな効果があったと言って良いでしょう。

ATF temperature was 100 degrees by Drag Race.

2005年10月23日
ATFクーラーコア(水冷インタークーラーコア)の装着位置を下方へ移動させました。
これにより、排出熱がラジエターへ流入することも無くなりましたので、ホースダクトは全て撤去しました。
また、ラジエターにはフロントスポイラーからのダクトによる間接通気に代わって、上方に生まれた隙間から直接通気が行われるようになりました。

サーキット走行におけるATF冷却能力は、前回に比べて特に大きな変化も無く、水温が110℃に達しても100℃を維持出来ていましたから、問題はありません。

Move Intercooler and ATF cooler cores to lower position.
ATFクーラーコア(水冷インタークーラーコア)の装着位置をフロントスポイラー下部と面一になるまで下げましたから、路面と干渉する恐れがある下部にアンダーガードを装着しました。

Install under guard to protect from hitting on road.

2005年10月30日
そして、ATFクーラーコアに装着してある電動ファンを8インチからSPAL製6.5インチに交換し、背部に隔壁を装着しました。
これは、電動ファンがラジエターへの吸気路にハミ出てしまっているのを回避するためと、排出熱がラジエターへ吸引されてしまわないようにするための対策です。

サーキット走行時、ATF温度は100℃以上に達しますから、クーラーコアからの排出熱もかなりの温度となります。これがラジエターへ吸引されてしまうのを完全に遮断することは効果があるだろうと考えました。

Change Electric Fans for ATF Cooler Core from 8inch to 6inch to get wider space for Radiator Air intake, and also install wall between back side of Electric Fan and Radiator to avoid Hot Air from Electric Fans come to Radiator.
今回使用した電動ファンはSPAL製の6インチで風量330CFMとのことですから、使用していた風量700CFMの8インチに比べて冷却能力の低下が起ってしまうことを予想していたのですが、実際のところ8インチ以上ではないかと感じられた強力な風量に少々驚きました。これなら問題は無いと思われます。

6inch Fans installed is made by SPAL.
It's very strong almost the same as 8inch.

2006年3月11日
SPAL製6.5インチ電動ファンは中心部分が大きいため、コアに密着していると、この部分の抜けが悪くなります。
そこで取付位置を3cmほど後方へ移動させました。そして隙間を埋めるためにABS樹脂プレートでシュラウドを着けました。

Move SPAL fans on cooler core to back side to get space between core and fan for getting natural air flow through fins of fan.
電動ファンの動作確認用LEDを装着しました。
点灯している左側赤色2灯がラジエター用、右側の2灯は黄色で、それぞれオイルクーラー用とATFクーラー用になっています。

Install LED to indicate when radiator fans, oil cooler fan and atf cooler fans working.

2006年5月15日
SPAL製6.5インチ電動ファンはファン中心部の面積が大きいことで自然通気性を悪化させると思い 装着位置をコアから離してみましたが、この程度では不十分だったようです。
特に富士スピードウェイのように走行風が常時十分に得られる高速サーキットでは通気性悪化によるマイナス要因が顕著に出てしまいました。
さらに、ファンがコアから離れた分だけ吸気力が低下して強制冷却能力も低下していましたから、低速サーキットでも問題となります。
そこで、電動ファンを同社の5.2インチに交換してみました。
このファンは口径が小さくなって軽量になっても、ブレード形状の違いにより風量は6.5インチとほぼ同じ水準にあります。
そして、自然通気エリアが広がると共にファンの中心部面積も半分以下になりましたので、吸気力の低下を防ぐためにコアへ密着させても通気性の悪化を最小限に止めてくれるだろうと期待しています。

Change fans on cooler core.
Because SPAL 6.5inch fan has big center. It obstructs natural air flow.
SPAL 5.2inch fan has small center and air flow is almost the same as 6.5inch.

2006年6月4日
温度センサー付ニューサーモスタット&Billion VFCU電動ファンコントローラー 電動ファン動作開始設定用に使用しているコントローラーは、クーラーコアに温度センサーを装着しているため、状況によっては実際の温度と差異を生じる場合がありました。
そこで、フルードの温度を直接検出して電動ファン制御を行う方式に換えました。

サーモスタットをエンジンオイルクーラーと同じ温度センサーが取り付けられるタイプに交換を行い、温度センサーとBillion VFCUにより実際のATF温度を検出して電動ファンを制御するようにしました。

動作開始温度は90℃に設定してあります。

Install new controller for electric fans, which is the same as engine oil cooler.
It works by temperature sensor inside of thermostat.
ATFクーラーが順当に稼働してくれるため、あらゆる走行条件下において基本的に水温よりATF温度が高くなることはありませんから、ラジエターへの循環はクーラーではなく、むしろヒーターになっています。
そこで、ATFをラジエターへ循環させるのを止め、クーラーコアへ直結することにしました。
アルミパイプを途中で切断し、専用のフィッティングを装着してステンメッシュホースによりサーモスタットへ接続を行っています。

Change ATF line.
Cut lines to radiator and install new fitting on pipe and ATF goes to thermostat without passing through radiator.
ATFをラジエターへ循環させないのは効果大でした。
サーキット走行では、まず最初に水温が上がってきますが、110℃に達してもATFは95℃を維持していました。
これまでは、水温が100℃を越えるとATF温度も一緒になってじわじわと上昇をしていましたが、この現象が無くなりました。
また一般道においても水温が89℃の状態で長時間停止しているとATFも85℃辺りまで上昇してきますが、この症状も無くなっています。
但しこの方法は、オーバークール防止のためにサーモスタットの併用が必然です。

→装着図

2006年10月9日
ATFラジエター循環復活 ラジエターへの循環を止めたATFですが、ATFクーラー用の電動ファンが万一稼動しなくなってしまうと停止中のATF冷却機能を喪失してしまうので、復活させることにしました。
また、冬季に向けたオーバークール防止対策も兼ねています。
Ron Davis製ラジエターのATF循環用接続部分は、私の場合、ATFクーラー接続用にニップルのアダプターになっていますが、緩んでホースが抜けてしまう恐れがあるホースバンドによる接続は避けたいので、これを外して代わりに5/8-18(コーンケーブ)⇔6ANのジョイントアダプターを取り付けました。
C5の場合、ATFのラジエター循環接続口は下側がIN、上側がOUTですが、どちらから入れても出しても動作にそれほど大きな支障は無いはずですので、ATFセンド側からサーモスタットへ接続されていたホースをそのままラジエターの上側に接続し、新しく6ANのホースエンドを取り付けたステンメッシュホースでラジエターの下側からサーモスタットへ接続しました。
これなら、水温上昇の影響を大きく受けて循環を止めさせたい場合でも、ジャッキアップすることなくラジエターの上側を外して直ぐ隣にあるサーモスタットに差し替えるだけですから、10分もあれば完了します。また、その場合に備えて、外したホースエンドとラジエター側アダプターに被せる6ANのキャップとプラグを用意しています。

→装着図

2006年10月17日
ATFクーラー接続図(クリックすると大きい画像が見れます) ラジエター循環を復活させたATFですが、接続をセンド側からリターン側に変更しました。
富士スピードウェイでの検証では水温とATF温度が同じでしたが、これまでの経過を見ると水温がATF温度より先に上昇していますから、ATF温度が水温より低い状態であればATF循環が水温を下げる効果があると考えたからです。
そして、クーラーを通る前のATFが水温よりも高温であればラジエターを通ることで冷却されますが、それにより水温を上昇させてしまいますから、水温上昇抑制を第一義に考える限り、この方法がベターではないかと思っています。
また、後日、スーパーチャージャー用水冷インタークーラーコアの目抜きを行い、ATFクーラーコアへの吸気効率向上対策を施すことにしています。
尚、接続変更に伴い、ATFのラジエターINが下側に、OUTが上側になりました。

2006年12月14日
ラジエター循環を復活させたATFですが、11月17日のえびすサーキット走行会においてATF温度だけが水温・油温に比べて異常に上昇してしまったので、取り合えず循環を止めることにしました。
解せないのは、水温93℃のラジエターに115℃のATFが循環すれば冷やされてしかるべきなのに上昇を続けてしまったと言うことです。
外気温が高いにもかかわらずATF温度に問題が無かった「富士」と「えびす」の違いは、ラジエター循環がクーラーコアへ行く前か後かです。
富士での結果を見る限りATF冷却には前の方が良いのかもしれませんが、そうすると温度上昇したATFが最初にラジエターを通ることになり、水温を上昇させてしまう可能性が高くなると考えられますので、判断が微妙なところです。
一方、ラジエター循環が原因ではなくATFが循環する経路が多過ぎて負荷が増大したことによる循環圧の低下も考えられます。と言うのは、ATFの温度上昇が極めて短時間の内に起こっているからです。
そこで、現在2段架けしているクーラーコアを1個に戻してみることにしました。
使用中だったコアは 19段の260mm幅×2個でしたが、これを19段の360mm幅×1個に変更です。
電動ファンは使用中のものを2個そのまま移植しました。
放熱量が12100cal/h×2→17600cal/h×1と数値的に低下するものの、抵抗が低減することで循環速度が高くなれば、上昇したATFがクーラーコアへ行くのと冷却されたATFがミッションへ戻る単位時間当りの量が多くなり、結果的に冷却向上が望めるのではないかと考えたからです。
そして、同時にクーラーコアの冷却能力向上策を行いました。
ラジエター前に設置してある エアコン用コンデンサーの目抜き効果が示す通り、最も効果が高いと思われるので以前から実施しようと考えていたことですが、ATFクーラーコアの前に設置されて吸気効率を低下させている スーパーチャージャー用水冷インタークーラーコアを別のものに交換して位置を移動しました。
これによりフロントエアスポイラーとナンバープレート開口部からの吸気がATFクーラーコアに直接当たることになります。

2007年1月14日
バイク用ラジエターを流用した水冷インタークーラー用コアは能力不足でした。
そこで、FORDマスタングコブラ用チューニングパーツとして販売されているAFCO製ヒートエクスチェンジャーに交換しました。
そのため、せっかく空いていたATFクーラーコアの前が再び塞がってしまいましたから、ヒートエクスチェンジャーの背部にSPAL製5.2インチ電動ファンを2基装着しました。
これにより、ヒートエクスチェンジャーの強制空冷が行われると共にATFクーラーコアにも強制通気が行われるので、以前の状態よりは良好になっていると思われます。
また、下部3分の1程度はフロントスポイラーからの直接吸気が得られるようになりました。

2007年7月16日

リアバンパー内に移動したATFクーラー
エアインテーク
リアハッチ内の配管

ATFクーラーの設置場所をフロントからリアバンパー右側内に移動させました。
一年以上前から計画していたのですが、これまでなかなか着手できずにいました。
作業はKMクラフトガレージさんにお願いしました。
右側のリアフォグライトは当然撤去となりますが、左側1個でも機能的には十分です。

C5のミッションはリアにありますから、クーラーコアがリア側にあれば至近距離で配管ができます。また、ATFのラジエター循環用送出圧はそれほど高くありませんから、配管距離が短くなればなるほどミッションから短時間でクーラーコアに到達して戻ります。
サーキット走行の場合、連続高負荷により短時間で温度が上昇してしまいますから、短時間で冷やされたATFが戻れば、温度超過になるまでの時間を延ばすことができます。

クーラーコアは装着可能最大サイズのセトラブ25段エクストラワイドにしました。
放熱量は22,000kcal/hで、ATFクーラー用としてはこれまでの最大サイズとなります。
闇雲にクーラーコアのサイズを大きくするだけでは冷却能力向上は望めず、吸排気効率を向上させる方が効果が高いと言う話を耳にしますが、これまでの経験上、同一条件下であれば、やはり大きいサイズの方が良く冷えてくれることは確かです。

ラジエター循環用配管をミッション出口で切断し、アルミチュービングアダプター(6AN)を装着したらステンメッシュホースでサーモスタットを介してクーラーコアへ接続します。
オーバークールを防止するためにもサーモスタット装着は必然です。

リアバンパーの開口部にはアルミ製ルーバープレートを取り付けました。
走行中に巻き込まれる通気で排出が押し戻されてしまうのを避けるためと、開口により低下したバンパーの補強も兼ねています。
そして、バンパー下部に開口を行って熱の排出を行っています。

冷却用吸気はリアボディサイドに装着したNASA2連ダクトから行われ、2本のホースによりクーラーコアへと導入されます。
表面のカバーはKMクラフトガレージさん特製で、吸気口には電動ファン保護のためのメッシュネットが着いています。

吸気用ダクトからの自然吸気が不足している場合の強制吸気用にはデフオイルクーラーに使ったものと同じインラインブロワーファンを2基装着しました。
このファンはホースの途中に割り込ませて使用するもので、自然吸気の抵抗になり難い構造になっています。
またマリン用なので防水性が高く、ホース内に雨水が浸入してきても問題はありません。

そして、排出用にはSPAL製9インチ電動ファンを装着しました。

ON/OFFの制御は、これまでと同じくサーモスタットに着けた温度センサーによりビリオンVFCUで行っています。
動作開始温度設定は、インラインブロワーファンが84℃、排出用ファンを90℃にしました。

電動ファンをONにすると強い通気が出てきますから、ATF温度が高い時に前に立っているのは少々辛いかもしれません(笑)。

クーラーコアには シュラウドを装着しています。
シュラウドは、吸気の拡散を防止してコア全体に効率的に導入させると共に、発熱が周囲に拡散しないようにする隔壁も兼ねています。

フロントから発熱源が無くなると同時に10kg強の重量がリアへ移動したことで、前後荷重配分が少しだけ好転したのもメリットになるかもしれません(笑)。

→装着図(PDFファイル)

一般道走行での検証では、ラジエター循環による冷却だけの時とは勿論大違いで、外気温32℃下の走行中なら88℃で安定しています。
また、渋滞で走行風が得られない状態で90℃になって電動ファンがONになると短時間で88℃まで下がってくれました。
冷間時のヒートアップは、サーモスタットのお陰でラジエター循環を行っていた時とほぼ同程度の時間で適温になっています。
水温も90℃以上になりませんから、やはり高温になったATFの循環が水温上昇の要因になっていたようです。

尚、ATF温度についてですが、コルベットに限らず一般道走行時でも100℃を越えることが間々あるようです。それ故にラジエターを循環させることが冷却になるでしょう。
レーシングスペックのATFを使っていれば120℃くらいまでなら許容範囲で、むしろ70℃以下でサーキット走行等の高負荷を与えてしまうことの方が問題になるとのことでした。
ラジエターの循環は冷間時のヒートアップにも効果がありますから、通常の稼働においては理にかなった大変優れた方式であると言えます。

ATFクーラー吸気口カバー装着
ATFクーラー用コアをフロントに追加装着
ATFクーラー用吸気ダクトカバーを装着しました。
当初装着するつもりだった市販汎用品FRP製はボディラインの曲線に合わせることができずにかなり隙間が開いてしまったので、手元に余っていたプラスチック製のダクトを半分に切って加工したものに換えました。
数年前に何かのために買ったものですが、記憶が正しければトランザムのボンネット用ダクトだと思います。
凄い様相になりましたが、個人的には何となく良い印象を受けてます(笑)。
吸気量の増大は大きな効果があり、外気温34℃の高速道路走行ではインラインブロワーファンが動作することなく82℃を維持することがかなっていますから、やはり走行風は偉大です(笑)。
最大の懸念は車幅からハミ出ているので、摘発されてしまうかもしれないことでしょうか・・・。
そのため、直ぐにカバーだけ外せるようにはしてありますが(笑)、いずれ機会を見て、より効果的で尚且つ見栄えの良い(笑)エアインテークに交換するつもりでいます。

そして、吸気効率の向上と共に排出効率も向上させるため リアバンパーに開口を行いました。

現状でこれ以上の吸排気効率向上は望めませんから、フロントにクーラーコアを追加装着することにしました。
ATFの循環圧低下と重量増を避けるため、 パワーステアリングフルードの追加クーラーコアと同じ流動抵抗が無いタイプをフロントバンパーの左右開口部内に1基ずつ計2基を装着しました。
ここは、水冷インタークーラーコアをシングルパスタイプに交換したことでできたスペースです。
このタイプのコアは低圧のフルード冷却に適切で、十分な吸気が得られる場所に設置すると大きな冷却効果が得られます。
排出熱が水冷インタークーラーコアに流入しないように隙間には隔壁をつけました。
また、冷間時の短時間ヒートアップとオーバークール防止のため フロント側にもサーモスタットを追加装着しましたが、冬季はラジエター循環につなぎ換えることにしています。

→装着図(PDFファイル)

冷却能力はさらに向上し、外気温34℃の高速道路走行は勿論のこと渋滞を含む一般道でも電動ファンが動作せずに80℃を維持していました。
80℃以下になるとサーモスタットが閉じるので、どの程度まで絶対能力が向上しているのかは不明ですが、少なくても走行中に上昇している分以上が冷却されていることは確実です。


2008年1月27日
パテ塗り
スプレーガン
スプレーガンによる再塗装

コンパウンド仕上作業終了
ATFクーラーコア装着角度と電動ファンの変更
エアインテークとクーラーコアのホース接続


12月16日のFSW
で水温・油温共に極めて順当(94℃・102℃)であったにもかかわらずATF温度だけが115℃と高目になっていました。ほとんどロックアップしない状態でハイパワーを受け続けるトルクコンバーターの発熱は想像を絶するものがあるのでしょう。
この時節、一般道走行時ではサーモスタットがオープンしてクーラーコアへATFが100%循環を始める温度(約80℃)にすらなかなか到達してくれない状態ですが、短時間に連続高負荷がかかるサーキット走行では冷却能力がまだ十分でないようです。せめて油温と同じ水準を維持させることが望ましいと考えます。

水温油温が順当であった理由として冷たい走行風を十分に吸入できていたことがあると思いますので、まずは吸気効率の向上策を行いました。
これまでエアスクープで集合した吸気はエアインテークダクトを経由して導入されていましたが、もっと見栄えの良い?(笑)別のエアスクープに交換してホースを吸気口に直接固定することにしました。
またホースも75mm径2本だったものが100mm径と75mm径になります。
これにより走行風はホースに直接入り、そのままクーラーコアへ当たるようになります。
勢いの強い流入気が得られるようになればインラインブロワーファンは不要ですし、むしろ流入抵抗になってしまうので撤去です。
クーラーコアに電動ファンを装着する場合、イン側とアウト側の両方に着けると干渉を起こして結果的に通気効率が低下してしまう場合がありますから、イン側は無いに越したことはありません。かなり以前のことですが、冷却能力向上のためにエアコン用コンデンサー前に16インチの電動ファンを追加で装着したのですが、その時はまったく効果を得られなかった経験があります。

今回装着したエアスクープはフェアレディZのボンネット用に市販されているものですが、さすがにC5のボディラインにピッタリ合うはずもありませんから、本体がスッポリ入る大きさの穴を空け、隙間をパテで埋めました。
C5のリアフェンダーは下半分に柔軟性があるため、硬化後にひび割れを起こさないようにパテは樹脂タイプを使っています。
また、これまで装着していたエアスクープの固定用ボルト穴も痛々しく露出していますから、こちらも同時に補修を行いました。

パテ塗り→整形→プライマー塗り→サンドペーパー仕上げ→本塗装→クリア塗装→コンパウンド処理が一連の作業となります。
塗装は境目を目立たなくするためにフェンダー部分全体を行うことにしました。

塗装はエアツールのスプレーガンで行いました。
表面をサンダーで磨き、円滑に整え、脱脂処理をしたら、塗装面の温度を20℃程度に保ちながら10分の間隔をあけて4度塗りをしました。
最終塗装終了後30分ほどしたら表面温度を20℃から40℃くらいに上げ、3時間ほど放置して十分乾燥していること並びに塗りムラが無いことを確認したらクリア塗装です。
クリアも中身をスプレーガンに移してから4回重ね塗りをしました。

クリア塗装が十分に乾燥したらコンパウンド処理です。
一度に広範囲をまとめてやらず、20cm四方程度に分けて行いました。
エアポリッシャーは、狭い場所を細部に渡って磨くことができる 75mm径パフを使う小型タイプを使いました。
まずはスポンジパフを使って細目で磨き、艶のある表面になったら超細目で鏡面状態になるまで磨きます。
最後にウールパフを使って仕上げとなりますが、この作業は 180mm径のパフを使う大型のポリッシャーを使いました。
強くやり過ぎると細かいスリ傷が着いてしまいますので、ポリッシャーの回転数制御と力加減が難しい部分です。
パフのベース部分を塗装面に引っ掛けると深い大きな傷が着いてしまいますので、段差や奥まった狭い部分は手作業にしました。



部分的に補正が必要なところは、エアーブラシを使いました。
狭い範囲を塗装するには最適なツールです。
ボカシとクリア塗装をしなくてもコンパウンドで磨き上げるだけで、部分塗装をしたとは思えないほど自然に仕上げることができました。















色が微妙に違うことに加え、あちこちに凹凸や傷模様があるものの、予想していたよりは良い仕上がりとなり、そこそこ満足です(笑)。

















効果が高いクーラーコアの大型化も行おうかと思ったのですが、残念ながらスペース面でこれ以上大きいコアを装着することはかないませんでした。
そこで、コアを下向きに傾斜させ、さらに電動ファンを9インチから風量の大きい10インチに戻しました。
電動ファンが傾斜したことで、排出風が主に ルーバープレート下部の開口から出るようになっています。













エアスクープのインテークとクーラーコアを接続する100mm径と75mm径のホースは、今回Billion製を使いました。
この製品は耐熱性耐久性が優れているだけではなく、何よりも支柱がアルミ製なので、今回のようにエアスクープのインテーク部分の形状に合わせて加工する場合、大変都合が良いのです。
また、柔軟なため100mm径であってもかなり鋭角に曲げることができます。
インラインブロワーファンを介さずに直結となりましたから、配管スペースも減少してすっきりしました。

2008年5月27日
5月9日のえびすサーキットにおいて、まだ冷却能力が十分でないことが判明しました。
そこで、解消策として、フロントに装着してあった小型クーラーを、以前ATFクーラー用として使用していたセトラブ製(19段インターミディエイト/12100kcal/h×2)に交換しました。
クーラーコアをやたらに多数接続すると抵抗が増えてATFの循環圧不足により結果的に効果が減少してしまう危惧はありますが、マニュアルによるとエンジンオイルとほぼ同水準である330〜550Kpaが規定圧になっていましたので、あと2つくらい増えても何とかなるのではないかと勝手に思っています(笑)。

効果は絶大で、27日の本庄サーキットにおいて、水温100℃、油温120℃の状態で100℃でしたから、ようやく満足できる水準になりました。
ミッションの状態も何ら問題は無く、循環圧不足も起こっていないようです。

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